ベトナムと中国の経済関係が拡大するなか、ベトナム政府は両国企業の協力を単なる投資・貿易規模の拡大にとどめず、技術力や国内企業との連携、付加価値を重視した「実質的で効果的な協力」へ転換する方針を示した。
2026年7月までの7カ月間で、ベトナムと中国の貿易額は前年同期比35.1%増の約1,843億USDに達した。中国企業によるベトナムへの新規投資も拡大しており、今後はインフラ、エネルギー、製造業に加え、AIや半導体などの先端分野での連携が焦点となる。
7カ月で貿易額1,843億USD、中国から約850件の新規投資
8月26日午前、レ・ミン・フン首相は、ベトナムに投資する中国企業との会合を主催した。
2026年1~7月の両国間の貿易額は約1,843億USDとなり、前年同期比35.1%増加した。
中国からベトナムへの投資も活発で、2026年1~7月に中国企業がベトナムで登録した投資総額は約37億USDに達した。新規投資案件数では中国が首位となり、約850件のプロジェクトが登録された。
累計では、7月末時点で中国企業による有効な投資プロジェクトは7,000件を超え、登録投資総額は約370億USDとなっている。
中国企業の投資分野も、従来の製造業に加えて、インフラ、エネルギー、電子産業、テクノロジーなどへ広がっている。
ベトナム政府「より多く」から「より良く」へ
レ・ミン・フン首相は、近年のベトナムと中国の関係について、積極的かつ安定的に発展し、協力が一段と深化していると評価した。
そのうえで、今後の経済協力については、単純に投資や貿易を「より多く」するだけではなく、「より良く」「より質の高い」「より効果的で実質的な」協力を目指す必要があるとの考えを示した。
首相は中国企業に対し、より高品質な投資、先進技術を活用したプロジェクト、ベトナム経済への波及効果が大きい事業を一層推進するよう呼びかけた。
また、ベトナム企業との連携を強化し、両国経済が持つ強みや相互補完性を生かすことも求めた。
鉄道、物流、クリーンエネルギーを重点分野に
今後の重点分野として挙げられたのが、両国を結ぶ戦略的インフラである。
具体的には、ベトナム・中国間の鉄道、都市鉄道、物流、スマート国境ゲートなどが挙げられた。
さらに、クリーンエネルギー、先端的な加工・製造業、デジタル経済、AI、半導体、5G、ビッグデータ、新産業なども重点分野となる。
これは、これまでの中国からの投資を「ベトナムで生産するための拠点」として捉えるだけでなく、インフラやデジタル技術、先端製造などを含むより高度な産業エコシステムの形成につなげたいというベトナム政府の意図を示すものといえる。
中国企業との連携で国内企業への波及効果を狙う
今回の発言で特に注目されるのは、中国企業による投資額そのものだけではなく、ベトナム企業との連携を重視している点である。
ベトナム政府は近年、外国企業からの投資誘致を単純な資本流入として捉えるのではなく、技術移転、国内企業の育成、サプライチェーンへの参加などにつなげることを重視している。
中国企業の投資分野が電子、製造、エネルギー、テクノロジーなどへ広がるなか、ベトナム企業がこうした企業のサプライチェーンに参入できるかどうかも、今後の重要なテーマとなりそうだ。
特にAI、半導体、5G、データ関連などの新産業では、中国企業の投資拡大がベトナム国内の産業基盤や人材育成にどの程度波及するかが注目される。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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