ベトナムビジネスならLAI VIENにお任せください!入国許可、労働許可証、法人設立、現地調査、工業団地紹介などあらゆる業務に対応します!お気軽にご相談ください!

ホーチミン市、バスとメトロの接続強化 公共交通の利用拡大へ「徒歩・バス・メトロ」を一体化

メトロ1号線ベンタイン駅周辺に設置された屋根付きのバス停
(C)THANH NIEN

ホーチミン市が、バスとメトロを中心とした公共交通ネットワークの利便性向上に取り組んでいる。バス路線の再編やメトロ駅へのフィーダーバス(乗客輸送を担う支線バス)の拡充に加え、駅周辺の歩行空間や屋根付き通路の整備、電子決済の導入などを進めている。

市は、公共交通を単に「乗り物」として整備するのではなく、自宅から徒歩でバス停へ向かい、バスからメトロへ乗り継ぎ、目的地まで移動する一連の流れを一体的に改善することで、バイクなどの個人交通手段から公共交通への転換を促す考えである。

「徒歩・バス・メトロ」を一体化

ホーチミン市で公共交通を利用する際、これまで大きな障壁となっていたのが、バス停やメトロ駅までの「最後の数百メートル」であった。

強い日差しや突然の雨に加え、歩道の段差や損傷、歩道上への店舗などの張り出し、屋根の不足などが、バイクから公共交通への転換をためらわせる要因となっていた。

こうした課題に対応するため、ホーチミン市公共交通管理センターは、バス停とメトロ駅を結ぶ歩行環境の改善を進めている。

その象徴となっているのが、連続した屋根付き通路と新型バスシェルターの整備である。

中心部のベンタイン駅周辺では、バス停から地下鉄駅の出入口まで続くアーチ型の屋根が設置されている。照明やベンチも備え、利用者が日差しや雨を避けながら安全に移動できる環境を整えている。

同様の整備は、メトロ1号線沿線のタオディエン、バンタイン、アンフー、ラックチエウ、国家大学駅などにも広がっている。途切れていた歩道も整備され、駅までの徒歩移動をしやすくする取り組みが進められている。

公共交通管理センターによると、屋根付き通路は、比較的短期間で整備でき、効果も見込めるうえ、熱帯気候のホーチミン市にも適した施策である。

整備場所については、バス停とメトロ駅を直接つなげられるかどうかに加え、住宅地、学校、病院、オフィス街などへのアクセス、歩道の連続性や幅員、沿道の住宅への影響などを考慮して選定している。

バスをメトロの「足」として再編

今回の取り組みは、屋根や歩道の整備だけではない。

ホーチミン市は、バスをメトロの利用者を駅まで運ぶ重要な交通手段と位置付け、バス路線そのものの再編を進めている。

ホーチミン市が新たに定めたバス公共旅客輸送の運行管理規定では、メトロ駅や空港、都市中心部のバスターミナルなどへの接続を担うフィーダーバス路線の拡充・再編を重視している。

2030年に向けた大きな目標は、公共交通の利用率を高めることである。住宅地や集合住宅、学校などから、徒歩300~500メートル程度でバス停またはメトロ駅にアクセスできる交通網の構築を目指している。

現在は、小型の電動バスも導入されている。こうした車両を住宅地の内部まで走らせ、メトロ利用者を駅まで輸送することで、バスとメトロを一つの交通ネットワークとして機能させる狙いである。

メトロ1号線を運営するホーチミン都市鉄道1号線有限責任会社(HURC)も公共交通管理センターと連携し、1号線の5駅で接続するバス路線の情報を更新・整備している。

利用者は駅の出口付近で接続するバス路線を確認できるようになり、メトロからバスへの乗り換えも容易になっている。

バスとメトロで共通利用できる決済環境

乗り換えの利便性を高めるうえでは、運賃の支払い方法も重要になる。

ホーチミン市では、現金を使わずに決済できるインフラを1,700台以上のバスとメトロ1号線に導入している。

利用者は、Napas、Mastercard、Visaなどの非接触型銀行カードのほか、QRコード、電子ウォレットのMoMoやZaloPay、スマートフォンのApple Pay Express Modeなど、複数の方法で運賃を支払える。

さらに、公共交通管理センターは「公共交通カード」と「MultiGo」アプリも導入している。優先利用者だけでなく一般利用者も、無料バス134路線とメトロ1号線を含む公共交通をより一体的に利用できる仕組みを整えている。

バスとメトロを組み合わせた1日券や月額券など、乗り継ぎを前提とした料金制度も整備されており、複数の交通手段を利用する労働者や学生の負担軽減にもつながると期待されている。

メトロの利用者を増やす鍵はバス網

公共交通研究センターのブー・アイン・トゥアン所長は、メトロが発達した都市でも、バスは公共交通を支える重要な交通手段であると指摘する。

例えばシンガポールにはさまざまな鉄道駅が144カ所ある一方、バス停は約5,000カ所に上る。鉄道だけではカバーできない地域をバスが補完することで、公共交通網全体の利便性を高めている。

同氏は、メトロ1号線についても、効率的なフィーダーバス網を構築することで、利用者数を大幅に増やせると試算している。

2024年にメトロ1号線が開業した当初、十分なフィーダーバス網が整備されていなければ、1日当たりの輸送人員は約6万8,000人にとどまる可能性があった。一方、フィーダーバスを整備すれば、1日11万人程度まで増やせる可能性があるという。

公共交通を「移動手段」から「生活インフラ」へ

ホーチミン市が進めているのは、単純なメトロ路線の拡張ではない。

駅まで歩きやすくする、バスで駅まで運ぶ、バスとメトロを同じ決済環境で利用できるようにする――こうした施策を組み合わせ、「徒歩→バス→メトロ」という移動全体を一つの公共交通システムとして整備することが狙いである。

バイクが生活の足として定着しているホーチミン市にとって、公共交通への転換を進めるには、メトロそのものの性能だけでなく、「駅までどう行くか」「乗り換えが面倒ではないか」という利用者目線での改善が不可欠である。

市は2030年に向け、バスとメトロの接続をさらに強化し、公共交通を個人交通手段に代わる主要な移動手段へと育てることを目指している。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN

【ACCESS 独自取材】
ベトナムビジネスの深掘り特集

現場の一次情報から、市場の核心に迫る。
週刊ACCESSが厳選した独自コンテンツ。

最新の特集記事一覧を見る >