ベトナムと米国の「相互・公平・均衡ある貿易協定」をめぐる交渉が、最終合意に近づいている。9月21日、ニューヨークでベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席と、米国通商代表部(USTR)のジェイミソン・グリア代表が会談し、両国の交渉が大きく進展していることが確認された。
米国側はこれまでの交渉について「最終的な結果に非常に近づいている」と評価しており、ベトナム側も早期の合意と署名に期待を示している。
米越貿易交渉、最終合意を視野に
会談でトー・ラム国家主席は、米国との包括的な戦略的パートナーシップを重視するとともに、経済・貿易・投資が両国関係の重要な柱であると強調した。
ベトナムはこれまで、米国からの商品の購入などを通じて、両国間の貿易をより均衡した方向へ進める取り組みを進めてきた。こうした取り組みについてグリア氏も評価し、両国の交渉団が多くの努力を重ね、現在までに大きな進展を遂げているとの認識を示した。
グリア氏は、協定が署名され、実施に移されれば、米越間の新たな協力機会が広がるとの見方を示した。
一方、トー・ラム国家主席は、両国が交渉で得られた前向きな成果を歓迎し、早期の協定締結によって、経済・貿易・投資関係に安定した長期的な枠組みを構築することに期待を示した。
ベトナム、米国側の貿易上の懸念にも対応
今回の会談では、協定交渉だけでなく、米国側が関心を持つ経済・貿易上の問題についても意見が交わされた。
トー・ラム国家主席は、残された貿易上の問題について米国に包括的なアプローチを求めた。その中には、米国の1974年通商法301条に基づく調査に関連する問題も含まれている。
ベトナム側としては、個別の貿易問題への対応だけでなく、米国との経済・貿易・投資関係全体を安定的に発展させる枠組みとして協定を位置付けたい考えである。
米国は2025年10月、ベトナムとの「相互・公平・均衡ある貿易」に関する枠組みを発表しており、ベトナム側による米国製品への市場アクセス拡大や、米国側によるベトナム製品への相互関税20%の維持などが主要項目として示されていた。
米国議会との関係強化も進める
同日、トー・ラム国家主席は、米下院外交委員会の有力メンバーであるグレゴリー・ミークス議員を団長とする米国下院議員団とも会談した。
トー・ラム国家主席は、米国議会がベトナムとの関係に寄せている関心と支援を評価し、両国関係をさらに安定的かつ実質的なものへ発展させたいとの考えを示した。
また、両国議会の交流を通じて政治的な基盤を強化し、相互理解と信頼を深めることの重要性にも言及。議員団の相互訪問や専門委員会、友好議員連盟などを通じた交流の継続を求めた。
経済分野では、貿易に加えて科学技術、イノベーション、デジタル化、高度技術分野での協力強化も提案した。
戦後問題や人的交流でも協力を継続
米越関係では、貿易・投資だけでなく、戦争の後遺症への対応も引き続き重要な協力分野となっている。
米国側は、戦争中に行方不明となった米軍兵士の遺骨の捜索・収集・身元確認について、ベトナム側の協力を評価した。
また、米国はベトナムに対し、戦争によって残された不発弾・地雷の処理、ダイオキシン汚染への対応、障害者支援などについて、今後も協力を続ける方針を示した。ベトナム側が進める戦没者の捜索・収集・身元確認についても、米国が協力を継続する考えを示している。
合意後を見据えた米越経済関係へ
今回の会談で示されたのは、単に「関税をめぐる交渉が進んでいる」ということだけではない。
米国はベトナムにとって重要な輸出市場であり、ベトナム側にとって米国との貿易関係を安定させることは、製造業や輸出企業にとっても重要な意味を持つ。一方、米国側もベトナム市場へのアクセスや米国製品の輸出拡大を重視している。
両国が協定の最終合意に近づく中、今後は具体的な合意内容に加え、協定が実際の輸出入、投資、サプライチェーンにどのような影響を与えるのかが焦点となる。
現時点では正式な署名・発効には至っていないものの、今回の会談では双方から早期合意に向けた前向きな姿勢が改めて示された。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN





























