ベトナムの貿易収支が2026年9月、9カ月ぶりに黒字へ転じた。9月の輸出入総額は1,176億9000万USDに達し、貿易黒字は12億7000万USDとなった。
ただし、2026年1~9月累計では194億2000万USDの貿易赤字となっており、輸入の伸びが輸出を大きく上回る状況は続いている。統計局(財務省)は、9月の黒字転換だけで貿易赤字の傾向が終わったとは判断できないとしている。
9月の輸出入、前年同月比42.4%増
統計局によると、9月の輸出入総額は1,176億9000万USDで、前月比7.3%、前年同月比42.4%増加した。
輸出額は594億8000万USDで、前月比8.5%増。1~9月累計では4,343億USDとなり、前年同期比24.5%増となった。
一方、9月の輸入額は582億1000万USDで、前月比6.0%増。1~9月累計では4,537億2000万USDとなり、前年同期比36.7%増加した。
この結果、9月単月では輸出が輸入を上回り、12億7000万USDの貿易黒字となった。
1~9月では194億USDの貿易赤字
9月に黒字へ転じたものの、1~9月累計では、194億2000万USDの貿易赤字となった。
前年同期は168億7000万USDの貿易黒字だったため、1年間で貿易収支の状況は大きく変化している。
輸入の伸び率が36.7%と輸出の24.5%を大幅に上回っていることが、赤字拡大の主な要因である。
輸出の8割を外国投資企業が占める
1~9月の輸出を企業部門別に見ると、国内企業による輸出は838億9000万USDで、前年同期比7.5%増。全体の19.3%を占めた。
これに対し、外国投資企業による輸出は、原油を含めて3,504億1000万USDに達し、前年同期比29.4%増。全体の80.7%を占めている。
輸出構造では、加工・製造業製品が圧倒的に大きく、3,927億9000万USDで全体の90.4%を占めた。
農林産品は300億USDで6.9%、水産物は91億USDで2.1%、燃料・鉱産物は24億1000万USDで0.6%となった。
輸入の94%超が生産資材
輸入では、1~9月の4,537億2000万USDのうち、4,269億2000万USDが生産資材で、全体の94%超を占めた。
消費財の輸入は268億USDで、全体の5.9%にとどまっている。
統計局は、輸入の増加について、消費財の需要拡大というよりも、生産活動の拡大に伴う原材料や部品などの需要が中心だと分析している。
また、人工知能(AI)、半導体、データインフラ、情報技術分野への投資拡大に伴い、高度な設備や部品の輸入需要も増加しているという。
最大の輸出先は米国、最大の輸入元は中国
国別では、米国向け輸出が最も多く、1~9月の輸出額は1,400億USDに達した。対米貿易黒字は1,226億2000万USDとなり、前年同期比23.8%増加した。
一方、最大の輸入元は中国で、輸入額は1,873億4000万USD。中国との貿易赤字は1,214億8000万USDとなり、前年同期比43%増加した。
ベトナムの貿易構造において、米国向けの大幅な輸出超過と、中国からの大幅な輸入超過という構図が鮮明になっている。
9月の黒字転換だけでは「赤字終了」と言えず
統計局は、9月に貿易黒字へ戻ったこと自体は前向きな動きと評価しているものの、貿易赤字の傾向が終わったと判断するにはまだ早いとしている。
1~9月の貿易赤字は194億2000万USDに達しており、現在も輸入の伸び率が輸出を大きく上回っているためである。
また、電子機器など主要輸出産業では、原材料や部品を輸入に依存する構造が残っている。
「輸入増を国内の付加価値につなげることが課題」
統計局は、国内企業と外国投資企業の貿易収支にも大きな違いがあると指摘している。
1~9月、国内企業は342億8000万USDの貿易赤字となった一方、外国投資企業は148億6000万USDの貿易黒字となった。
この差は、国内の原材料・部品供給能力や裾野産業に課題が残っていること、さらに国内で生み出される付加価値の割合がまだ低いことを示している。
今後は、輸入した原材料や部品をどこまで輸出製品に転換できるかを注視する必要がある。統計局は、裾野産業の育成、現地調達率の向上、国内生産能力の強化を進めることで、より持続的な貿易収支につなげる必要があるとしている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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