ホーチミン市への海外送金が2026年第3四半期(7~9月)に回復した。ベトナム国家銀行(中央銀行)第2地域支店によると、同四半期の海外送金額は28億3,500万USD超となり、前四半期比39.5%増、前年同期比3.6%増だった。2026年に入り、前年同期を上回るのは初めてである。
ただし、年初から9カ月間の累計額は前年同期を下回っており、年間ベースでの回復にはなお時間を要する見通しだ。また、送金元の地域別構成ではアジアの比率が大きく上昇しており、同地域の労働市場の動向が今後の海外送金を左右する要因となっている。
第3四半期は前四半期比39.5%増、前年同期比でもプラスに
ホーチミン市への海外送金額は、2026年第3四半期に28億3,500万USD超となり、第2四半期から約8億USD増加した。
2026年は第1四半期に前年同期比16.9%減、第2四半期に同27.9%減と、2四半期連続で大幅な減少が続いていた。第3四半期には前年同期比3.6%増に転じ、海外送金の回復が鮮明になった。
一方、今回の回復は送金元のすべての地域で一様に進んだわけではない。特にアジアからの送金が大きく伸びたほか、送金経路では経済組織を通じた流入が回復を支えた。その他の地域では、前年同期の水準を下回る動きも残っている。
アジアからの送金が約6割を占める
2026年第3四半期の海外送金額を地域別に見ると、アジアが最大の送金元となった。金額は16億7,600万USD超で、全体の59.1%を占めた。第2四半期の49.3%から約10ポイント上昇している。
アジアからの送金は、韓国、日本、台湾、シンガポール、マレーシアなどで働くベトナム人労働者を主な背景としている。
地域別の内訳は以下の通りである。
- アジア: 16億7,600万USD超、構成比59.1%
- アメリカ大陸: 7億4,850万USD、同26.4%
- 欧州: 2億2,210万USD、同7.8%
- オセアニア: 1億7,320万USD、同6.1%
- アフリカ: 1,510万USD、同0.5%
アメリカ大陸はアジアに次ぐ送金元で、米国やカナダに住むベトナム人コミュニティーからの送金が中心となっている。オセアニアではオーストラリアとニュージーランドが主な送金元である。同地域の構成比は第2四半期の9.6%から第3四半期には6.1%へ低下した。
アジアとアメリカ大陸を合わせると、海外送金全体の85.5%に達する。特にアジアの比率が大きく上昇したことから、ホーチミン市への海外送金は、アジア地域の雇用情勢やベトナム人労働者の所得動向に、これまで以上に左右される構造となっている。
9カ月累計は前年同期比13.8%減
第3四半期に回復したものの、2026年1~9月の累計海外送金額は68億7,200万USDにとどまった。前年同期の約79億6,900万USDと比べ、13.8%減少している。
2025年通年の海外送金額103億USDに対しては、9カ月間で約66.7%に相当する水準だ。
ただし、第3四半期に前年同期比でプラスに転じたことで、上半期終了時点で22.8%だった累計の減少率は、9カ月累計では13.8%まで縮小した。四半期ベースの回復が、年初来の減少幅を和らげた形である。
2026年通年は95億~98億USDの見通し
2026年第4四半期の海外送金額については、26億~29億USD程度が見込まれている。この予測を前提とすると、2026年通年の海外送金額は95億~98億USDとなる見通しだ。
2025年の103億USDと比べると、年間では約5~8%の減少が予想される。第3四半期に回復したとはいえ、2026年通年では前年の水準を下回る可能性が高い。
今後の回復を左右する要因として、為替相場の動向やアジア地域の労働市場が挙げられる。ホーチミン市への海外送金は、在外ベトナム人からの資金移動に加え、海外で働くベトナム人労働者の所得環境にも影響を受ける。
第3四半期の回復が年末まで続くかどうかが、2026年通年の実績を見極めるうえで重要となる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN
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