グエン・スアン・フック国家主席は、APECとEUおよび湾岸諸国の協力による潜在的な可能性は非常に高いとして、地域間協力を促進するための3つの提案をおこなった。
11月18日にAPEC加盟国の各首脳は、フランスのエマニュエル・マクロン統領、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子などの招待ゲストと会談をおこなった。今回の対談は、APEC加盟国首脳と招待ゲストが世界と周辺地域の共通の課題について議論し、困難を克服するための解決策を話し合い、協力と経済発展を促進させる機会となった。
会談に出席したグエン・スアン・フック国家主席は、APECとEU及び、湾岸諸国との連携による潜在的な発展の可能性は非常に高いと評価した。
フック国家主席は、地域間の協力を促進し、現状のリスクと変化に対応するために3つの提案をおこなった。
まず、関係各国は協力関係を強化し、ボトルネックを特定して共同で解決策を見つけることで貿易と投資をさらに促進させ、既存の自由貿易協定の効果を上げ、新たな貿易協定の可能性を探り、関係国のマーケットにおける投資と貿易活動をより一層強化する。
次に、APEC加盟国は経験を共有し、グリーン成長とデジタルトランスフォーメーションに関する政策対話をおこない、APECの専門ワーキンググループによるEU、ASEAN、湾岸諸国協力会議（GCC）との交流や対話を促進させる。さらに、気候変動対応、環境保護、電子商取引に関する多国間協力の枠組みを試験的に展開する方法について検討する。
3つ目にフック国家主席は、協力関係を拡大維持していくために、APECとEU、GCC、ASEANおよび、その他の地域の機関の代表との定例会談の開催を提案した。
11月18日の午後にAPEC首脳陣は、毎回APEC首脳会談に合わせて提言書を取りまとめているAPECビジネス諮問委員会（ABAC）のメンバーと意見交換をおこなった。
APEC首脳陣に提出された報告書によるとABACのメンバーは、現在の地政学的、経済的、環境的問題がAPECビジョン2040の実現を難しくしていることに懸念を表明している。
ABACのメンバーは、持続可能で包括的かつ強靭な成長を維持するために、APECは環境問題、気候変動問題、クリーンエネルギーへの移行、デジタルトランスフォーメーション化への取り組みを協力しておこない、COVID-19後の企業の回復を支援する必要があると指摘している。
ABACのレポートは、インフレを抑制し、賃金と物価のスパイラルを短期で終息させ、安定した経済回復を早期に実現するための多くの提言をおこなっている。
この意見交換会の席上、フック国家主席は、APECとABACの専門委員会と作業部会が対話を強化し、アジア太平洋地域における貿易と投資に関する長期ビジョン実現に向けて協力することを提案した。
フック国家主席は、ベトナムがWTOを中心とした原則とルールに基づく多国間貿易システムを支持していることを明らかにした。「多くの2国間貿易協定や新しい地域枠組みによる貿易協定がつくられている中で、WTOは依然として多国間協力体制の基本的なプラットフォームであり、経済及び、貿易関係の安定と平等を維持するのに役立ち、世界経済の発展に貢献しています。」とフック国家主席は、述べた。
フック国家主席はまた、APEC加盟国に対して漁業と農業への補助金及び、WTO改革に関する重要な議論を促進するように求めた。
APEC首脳会談の一方で、グエン・スアン・フック国家主席は、アメリカ、中国、チリの首脳と2国間関係の促進に関する会談をおこなった。
グエン・スアン・フック国家主席は、11月16日から19日にかけてタイのプラユット首相の招待によりタイを公式訪問し、APEC首脳会談に出席していた。
出典：18/11/2022 VNEXPRESS
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