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ベトナムビジネス特集Vol125|
How To 現地調達 ベトナム製造業を活用!

ベトナムの現調率は約36%
日系の約6割が拡大希望

 JETROでは毎年、「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」を実施しており、調査項目の1つに「原材料・部品の調達」がある。2019年におけるベトナムの現地調達率は36.3%だ。

 近隣諸国と比べると、フィリンピンの33.4%よりは高く、マレーシアの37.8%と同等だが、69.5%の中国、60.8%のタイよりかなり低い(グラフ参照)。

原材料・部品の各国の現地調達率

「2019年も4割に届かず低水準ですが、2010年は22.4%であったことを考えると、低調なりに上向きに転じているとも見て取れます」(小川氏)

 企業によって調達したい材料や部品は様々だが、精度が足りない、納期が守られない、質と量が担保できない等の声を聞くそうだ。

「例えばゴムを原料に使う場合、ゴムの原産国とはいえ、ベトナムで合成ゴム等の調達は難しく、タイなどから輸入しているケースもあります」(田原氏)

 現地調達は必ずしもベトナム企業への発注を意味せず、日系、韓国系、台湾系など外資系企業からの調達もある。同調査によるとベトナム企業からの調達率は全体の13.6%しかなく、他の東南アジア諸国と同様に伸び悩んでいる(次ページのグラフ参照)。このような状況からも、日系企業の56.2%は現地調達の難しさを問題視しており、58.3%が現地調達を拡大したいと回答している。

地場企業からの現地調達率推移

 中小製造業の中には、これまでは日本語が通じて品質も確かな現地日系企業から調達していたが、より安価なベトナム企業への発注を考えている企業もあるそうだ。

「人件費の上昇などによりトータルコストを下げたいという意向から、少しずつローカルへのシフトを進めているとの声もあります」(小川氏)

製造業系展示会への出展
ベトナム企業との交流支援

MTA VIETANAM2019のジャパンパビリオン

 JETROでは様々な方法で日系の製造業を支援しており、そのひとつが「部品調達展示商談会」だ。ハノイ市とホーチミン市で交互に開催され、今年は10月の製造業展示会「METALEX Vietnam 2020」内で予定されている。

 日本企業が部品を購入する「バイヤー」、ベトナム企業は日本側の希望する部品等を提供する「サプライヤー」として出展する、現地調達のマッチングだ。

 これまでのアンケートによれば、日本側からは成約見込みとなった、一度に多くの企業と出会えるなどの高評価がある一方、出展者が同じ顔触れで目新しさに欠けるなどの意見もあった。ベトナム側からは、納期や品質基準が厳しく難しさはあるが、取引に向けてチャレンジしたいなどの意見があったという。

「個人的な意見ですが、ここ数年はベトナム企業の技術水準や対応力が上がり、しっかりしてきている印象を持ちます」(田原氏)

 今回は日系企業が20社、ベトナム企業が30社出展する予定で、ベトナム企業は23社が新規の企業という。これまで同様、ホーチミン市貿易投資促進センター(ITPC)やホーチミン市裾野産業発展センター(CSID)から推薦された企業だ。

 また、11月開催予定の工作機械・生産設備等を対象にした国際展示会   「MTA Vietnam 2020」では、ジャパン・パビリオンを出展する予定だ。

商工省が裾野産業DB
オンラインでの商談会も

 JETROでは、ベトナム製造業を紹介する『ベトナム有望企業(南部ベトナム編)』、日系や外資系企業の『ベトナム南部 日系・外資サプライヤーリスト』などを無料公開しており、定期的に更新をしている。

 ベトナム企業については調査票を送るなどして取りまとめ、外資系企業は貿易促進団体である韓国の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)、台湾の台湾貿易センター        (TIATRA)などからの推薦を受けた企業を中心にリストアップしているという。

「ベトナム商工省は今年6月に『ベトナム裾野産業データベース』を発表しました。このデータベースは地場企業に加え、在ベトナム外資系企業が含まれているのが特徴です。ベトナム政府は、データベースを通じてベトナム企業と外国企業の連携が加速し、裾野産業をはじめベトナムの製造業全体が発展することを期待しています」(小川氏)

ベトナム裾野産業データベース

 このデータベースはWebサイトで公開され、約3500社の企業情報がある(8月上旬現在)。機械エンジニアリング、自動車、繊維・縫製、皮革・履物、電子などの分野があり、各分野にはプレス加工、溶接、表面処理などの分類がある。検索機能も充実しており、企業情報には製品や生産設備、主要顧客などがあって、ベトナム語と英語で閲覧できる。

「我々が企業を調べるときにはまずHPをチェックしますが、以前に比べてとても内容が豊富でわかりやすく、企業努力の跡が伺えます。ここからも成長の度合いが伝わります」(田原氏)

 新型コロナ感染症の影響で、商談会でもオンライン化が始まっている。JETROでも既に食品輸出のオンライン商談会を開催しており、今後はヘルスケアや工作機械分野なども計画中だ。

「商談会やセミナーをオンラインで行うなどのデジタルシフトが推進されています。リアルとデジタルでの事業実施を組み合わせて、新しい変化にも柔軟に対応していきます」(田原氏)