ベトナム国家児童委員会は6月25日、全国児童会議を開催し、国内の子どもの数が約2,500万人と、総人口の約4分の1を占めていると明らかにした。
児童の権利保障では大きな成果が見られる一方、児童虐待や性的被害、学校での暴力、溺水事故など依然として深刻な課題が残っている。
政府「子どもを守る仕組みを予防型へ転換」
会議を主宰したファム・ティ・タイン・チャー副首相は、ベトナムは児童の権利保護において世界的にも大きく前進してきたと評価した。
そのうえで、児童法の改正を検討し、新たな社会環境に対応できる制度整備を進めるよう関係機関に指示した。
また、問題発生後の対応ではなく予防を重視する方針を示し、
- 家庭
- 学校
- 地域社会
が連携した「子どもを守る盾」を構築し、虐待や事故、各種リスクを未然に防ぐ必要性を強調した。
さらに、インターネット環境における児童保護の強化や、保護者向け教育、子どもの自己防衛能力を高める教育の充実も求めた。
副首相は、
「子どもたちには最も良い環境を与え、愛情を持って守り、健全な成長を支えなければならない。それが豊かで幸福な国づくりにつながる」
と述べた。
出生登録・予防接種などで高い成果
報告によると、ベトナムでは現在約2,500万人の子どもがおり、そのうち男子が52.5%を占める。
児童福祉では次のような成果が報告された。
- 5歳未満児の出生登録率はほぼ100%
- 1歳未満児の定期予防接種完了率は97%
- 6歳未満児全員に無料の健康保険証を交付
教育分野では、
- 小学校の就学率は99.7%
- 中途退学率は0.17%まで低下
- 幼稚園から高校まで授業料を無償化
するなど教育支援も拡充している。
また、国境地域では少数民族向け寄宿学校248校の整備も進められている。
子どものデジタル管理も進展
公安省は、
- 6歳未満の約60万人
- 6~14歳の約150万人
に身分証明書を発行した。
児童データベースは住民データベースと連携し、1,800万件以上のデータを管理しているほか、電子行政手続きも50万件以上処理した。
児童保護ホットライン「111」は2026年最初の5か月間だけで19万8,825件の相談を受け付け、このうち771件では迅速な保護・介入を実施した。
性的虐待や溺水事故は依然深刻
一方で、政府は児童を取り巻く課題も依然として深刻であると指摘した。
一部地域では児童虐待や性的被害が発生しているほか、学校での暴力も複雑化している。
統計によると、
- 児童への性的犯罪が全体の85%
- インターネットを悪用した児童への加害行為が21%
を占めている。
また、不慮の事故、とりわけ溺水事故は依然として児童死亡の主要因となっている。
2026年最初の5か月間だけでも全国で502人の子どもが事故により死亡し、そのうち333人(66.3%)が溺水によるものだった。
心のケア体制の強化も課題
政府は、地方行政改革の影響で地域の児童支援体制が手薄になっていることも課題として挙げた。



















