6歳で通常の2学年を飛び越え、小学3年生に特別進級したベトナム南部ドンタップ省のルー・ホアイ・トゥーン君。その後も数学、情報技術(IT)、英語などの競技会で受賞を重ね、現在は中学2年生となっている。
自宅の壁には、これまでに獲得した賞状やメダル、表彰証明書が並ぶ。年間で参加する大会は約20に上るという。一方で、勉強だけに偏ることなく、ピアノやベトナムの伝統楽器ダンチャインなど3種類の楽器を演奏し、スポーツにも取り組んでいる。
6歳で2学年飛び越えて小学3年へ
トゥーン君は6歳の時点で、すでに読み書きを身につけ、基本的な計算も速くこなしていた。
その能力に気づいた両親は、通常より早く学校教育を受けさせることが適切ではないかと考え、学校に飛び級を申請した。
学校が実施した能力テストの結果を踏まえ、トゥーン君は小学1、2年を飛ばして小学3年に進級することになった。
当初から学校の授業に順応し、その後も成績上位の生徒として学習を続けている。
母親のグエン・ティ・トゥ・カーさんによると、幼いころから文字や数字に対する関心が強かったという。
幼児期にはカレンダーや絵の中に書かれた文字を見るのを好み、保育園でも先生に抱き上げてもらって文字を読もうとしていたという。
両親はこうした興味を生かし、英語や簡単な計算を教えたほか、そろばんを使った足し算や引き算にも取り組ませた。
幼いころの文字や計算への興味が、やがて数学、コンピューター、アルゴリズムへの関心へと広がっていった。
年間約20の大会に参加、ほぼ毎回受賞
トゥーン君は、学力を試す場としてさまざまな競技会にも参加してきた。
家族にとって大会は、単に賞を獲得するための場ではない。自分より優れた能力を持つ同年代の生徒と出会い、自分の実力を確かめる機会でもある。
現在では年間約20の大会に参加し、その多くで賞を獲得しているという。
主な分野は数学、情報技術、英語であり、参加者の中では年齢が最も低いグループに入ることも少なくない。
最近では、中部・中高原地域の情報オリンピックで金メダルを獲得するとともに、才能を評価する「タレント賞」も受賞した。
トゥーン君自身は、競技会に参加する理由について、自分より優れた生徒に出会えることが楽しいと話している。
難しい問題に直面した場合も、解けないから終わりにするのではなく、どうすれば解けるのかを考え続けるという。
こうした経験を通じて、数字を扱うだけでなく、論理的に考え、問題をアルゴリズムとして解決する力への関心が強まっていった。
父親はプログラマー、専門家から学ぶ環境へ
トゥーン君のIT分野での成長を支えてきたのが、プログラマーである父親のルー・ホアイ・フォンさんである。
幼いころから父親と一緒にプログラミングの基礎を学び、アルゴリズムやプログラムの組み立て方、問題解決の考え方などに触れてきた。
しかし、ある時から父親が自分で息子に教えられる範囲を超えるようになった。
そこでフォンさんは、大学でITを学ぶ学生たちからさらに専門的な内容を学ばせるようにしたという。
トゥーン君は将来、プログラマーになることを目標としており、特にアルゴリズムに強い関心を持っている。
一方、両親は成績や大会での結果を過度に重視しているわけではない。本人が興味を持ったことを学び続けられるよう環境を整えることを重視している。
そのため、毎日の勉強時間も比較的無理のない範囲に抑えられている。トゥーン君は自分で学校の課題を終え、通常は午後9時前には勉強を終えて就寝する。
プログラミングだけでなく3種類の楽器も
トゥーン君の生活は、数学やプログラミングだけで構成されているわけではない。
週に英語を1回、外国人講師から学ぶほか、武道、音楽、スポーツにも取り組んでいる。
特に音楽との関わりは早く、3歳からピアノを始めた。当初は週2回のレッスンを受け、1年足らずで比較的難度の高い合奏曲も演奏できるようになったという。
その後、故グエン・ビン・バオ氏の娘である音楽家グエン・ティ・トゥ・アイン氏からベトナムの伝統楽器ダンチャインの指導も受けた。
2年間の学習を経て、同年代としては安定した演奏技術を身につけていると評価された。
現在は、ダンチャイン、ピアノ、オルガンの3種類の楽器を演奏する。
学習と遊びのバランスを重視
両親は、学習、楽器の練習、読書、運動を組み合わせるよう生活時間を調整している。
週末にはサッカーや自転車などのスポーツにも取り組み、生活が数学の問題やプログラム、競技会だけにならないようにしている。
中学2年生となった現在、グエンチータイン中学校の担任教師、ホアン・ティ・ホン・フエ氏は、トゥーン君について、授業の準備を自主的に行い、学習活動にも積極的に参加する生徒だと評価している。
授業内容を素早く理解し、論理的思考力が高く、クラスメートとの協力もできるという。
数学、情報技術、英語では非常に高い成績を収めており、教師は「向上心が非常に強い」と評価している。
「賞を取ること」が最終目的ではない
6歳で小学3年に特別進級した少年は、現在では中学2年生となり、毎年のように学術競技で賞を獲得する生徒へと成長した。
しかし、家族にとって賞状やメダルそのものが最終的な目標ではない。
重要なのは、トゥーン君が学ぶことへの興味を失わず、新しいことを知る楽しさを持ち続けることである。
数学の数字、コンピューターのコード、アルゴリズムの難問は、現在もトゥーン君にとって「解かなければならない課題」であると同時に、「もっと知りたい」と思わせる対象でもある。
6歳での飛び級から中学生になったトゥーン君。早く学年を進んだことそのものよりも、本人の興味を軸に学び続ける環境を家族がつくってきたことが、現在の成長につながっているようだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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