ホーチミン市税務当局は、商品やサービスの購入時に正規のインボイスを発行しない、または購入者に渡さない行為を消費者が通報した場合、最大1,000万VNDの報奨金を支給する制度を実施している。
制度は、事業者によるインボイス発行の遵守を促すとともに、消費者による社会的な監視を通じて、税収の漏れを防ぐことを目的としたものである。
領収書を発行しない事業者を通報
ホーチミン市税務当局によると、現在、消費者が商品やサービスを購入する際にインボイスを受け取る習慣を広げるため、さまざまな取り組みを進めている。
電子インボイスを対象とした「ラッキー・インボイス」制度を毎月および年末に実施し、消費者が購入者として記載された電子インボイスを対象に賞金を支給している。
これに加えて新たに設けられたのが、インボイスを発行しない、あるいは購入者に渡さない事業者を消費者が通報した場合の報奨制度である。
税務当局は、この制度について、インボイス関連法令の遵守を促すとともに、社会による監視機能を高め、国家予算の税収漏れを防ぐことが狙いだとしている。
通報すれば必ず報奨金がもらえるわけではない
ただし、事業者を通報すれば無条件に報奨金が支払われるわけではない。
報奨の対象となるためには、提供する情報が真実かつ正確で、適時に提供されたものであることが求められる。
さらに、違反行為が発生した日時、場所、行為者を特定できる根拠が必要となる。
通報内容が実際の取引状況と一致し、税務当局が違反の内容や程度を判断したうえで、調査・確認を行えるだけの情報がなければならない。
そして、提供された情報をもとに税務当局が調査・確認を行い、税務・インボイスに関する行政処分を正式に決定した場合に、報奨の対象となる。
どのような情報が必要なのか
通報する際には、違反した事業者を特定できる情報が必要となる。
具体的には、以下のような情報が対象となる。
- 商品・サービスの販売者や提供者の名称
- 事業所の住所または納税者番号
- 商品・サービスの取引に関する情報
- インボイスを発行しなかった、または交付しなかった事実
- 取引に関連する資料や証拠(ある場合)
- 通報者の氏名
- 電話番号
- 個人識別番号
単に「この店は領収書をくれなかった」と申告するだけではなく、税務当局が実際の取引と違反行為を確認できる情報を提供することが重要となる。
電子システムや窓口から通報可能
通報方法も複数用意されている。
電子インボイスシステムや税務管理システムを利用できるほか、eTax Mobileなどを通じて情報を提供することも可能である。
このほか、国家公共サービス・ポータル、税務当局の公式メールや電子情報受付システム、税務当局の窓口への直接提出、規定に基づく書面による提出にも対応する。
報奨金は罰金の10%、最大1,000万VND
報奨金の額は、1件の行政違反に対する罰金額の10%以下とされ、上限は1件当たり1,000万ドン(約5万円)である。
同じ違反案件について報奨を受けられるのは1回のみとなる。
複数の人が同じ違反について情報を提供した場合には、原則として、最初に情報を提供した人、または税務当局が最も完全かつ有益な情報を提供したと認めた人が報奨の対象となる。
税務当局は、報奨制度について透明性を確保し、適切な対象者に支給するとともに、情報提供者の個人情報を規定に従って保護するとしている。
消費者の「領収書をもらう習慣」を促す狙い
今回の制度は、消費者自身を税務行政の監視役として位置付けることで、事業者にインボイス発行を促す狙いがある。
特に、インボイスを発行しない取引は売上が正確に把握されず、結果として納税額が過少になる可能性がある。税務当局は消費者からの情報提供を活用することで、こうした税収漏れの把握につなげたい考えである。
一方、報奨金を受け取るには、単なる推測や主観的な申告ではなく、実際に違反が確認され、行政処分に至るだけの具体的な情報が必要となる点には注意が必要である。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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