7月からVNeID上で犯罪経歴証明を利用可能に
ベトナムで改正司法経歴法が2026年7月1日に施行され、犯罪経歴証明(司法経歴証明書)の電子化が本格的に始まる。
今後は国家電子身分証アプリ「VNeID」上で犯罪経歴情報を確認できるようになり、紙の証明書と同等の法的効力を持つことになる。
政府は行政手続きのデジタル化を進めることで、市民の利便性向上と行政負担の軽減を目指している。
電子版と紙版は同等の法的効力
改正法では、犯罪経歴証明書は以下の2種類で発行される。
- 電子版
- 紙媒体
両者はいずれも同等の法的効力を有する。
電子版が発行された場合、関連情報はVNeID上にも表示され、従来の犯罪経歴証明書として利用できる。
利用者は必要な際にスマートフォンから随時情報を提示できるため、証明書を改めて取得する必要がなくなる。
申請方法は3種類に
改正法では、犯罪経歴証明書の申請方法として以下の3つが認められる。
- VNeIDまたは国家公共サービスポータルを利用したオンライン申請
- 郵送申請
- 窓口での直接申請
郵送による申請では、申請者の署名認証が付された書類を送付する必要がある。
また、証明書の発行期間については、適法な申請を受理してから原則5営業日以内と定められた。
前科情報や新たな犯罪歴の確認作業が必要な場合は期間延長が認められるが、最長でも15日以内とされている。
証明書の種類と利用制限
司法経歴証明書には「第1号証明書」と「第2号証明書」の2種類が存在する。
第1号証明書には、
- 本人情報
- 前科の有無
- 企業や協同組合の設立・運営禁止措置の有無
などが記載される。
一方、第2号証明書にはこれらに加え、
- 父母や配偶者の情報
- 抹消済みの前科を含む全ての犯罪歴
が掲載される。
改正法では、企業や団体、個人が市民に対して第2号証明書の提出を求めることは禁止された。
第1号証明書についても、採用活動や許認可手続き、資格取得など、法律で認められたケースに限り提出を求めることができる。
「証明書乱用」の是正に期待
これまでベトナムでは、採用手続きや各種申請の際に犯罪経歴証明書の提出が広範に求められるケースが多く、市民の負担や発行機関の業務過多が問題視されていた。
改正法では、国家機関間のデータ連携を活用し、必要な情報を行政側が直接確認できる仕組みを整備する。
市民自身に証明書の提出を求める機会を減らすことで、手続きの簡素化と行政サービスの効率化につながることが期待されている。
行政DXを加速する象徴的な制度改革
VNeIDへの犯罪経歴情報の統合は、ベトナムが推進するデジタル政府構築の一環として位置付けられている。
電子証明書の普及によって、将来的には行政手続きや就職活動、許認可取得など幅広い分野で紙書類の削減が進む見通しであり、行政デジタル化を象徴する制度改革の一つとなりそうだ。



















