ベトナム中部のフエ市にあるランコー湾で、飲食店などが海岸に無断で施設を設置し、公共スペースや海岸への通路を占有する問題が発生している。地元のチャンマイ・ランコー村は、違反施設の撤去に向けて事業者への指導や現地調査を進めており、10月30日までに自主撤去するよう求めている。海岸の景観を守るとともに、住民や観光客が自由に利用できる公共空間を取り戻す方針である。
コンクリート柱を砂浜に設置、海岸への通路も狭まる
2026年10月中旬、旧ランコー町にあたるローンリー海岸やドンズーン海岸では、砂浜沿いに多数の飲食店が並び、海際まで施設が広がっている状況が確認された。
一部の事業者は営業スペースを拡大するため、砂浜にコンクリート柱を深く埋め込み、東屋や飲食施設を支える構造物を無断で設置していた。海岸には無骨なコンクリート柱が並び、景観を損なう状態となっている。
問題は景観だけではない。住民や観光客が共用する海岸への通路が狭められ、一部では飲食店などが通路をふさいでいる。生活ごみが散乱する場所や、付帯施設によって海岸の利用空間が占有されている場所もあるという。
周辺住民からは、こうした施設が海岸沿いの公共空間を圧迫し、日常生活にも影響を及ぼしているとの声が上がっている。特に海水浴客が多く集まる場所では、誰もが海岸へ安全かつ円滑にアクセスできる通路を確保する必要がある。
地元当局、違反施設の自主撤去を要請
チャンマイ・ランコー村人民委員会のディン・ゴック・フン主席によると、海岸の公共空間を占有する問題はローンリー、ドンズーン両海岸だけでなく、旧ロックビン村にあたるビンアン海岸の一部でも確認されている。
地元当局はこれまで、土地の利用状況や違反が疑われる施設、計画に反する土地利用の実態などを調査してきた。また、事業者に法令上の問題を説明し、自主的な撤去を促すとともに、現場での対応計画を策定している。
フン主席によれば、海岸沿いの飲食・観光サービスは長年にわたって形成されてきたものであり、テントや小屋などの施設も以前から存在していた。当局は住民との会合などを通じ、都市計画、建設、土地利用、観光事業に関する規定を説明し、違反状態の解消を求めてきた。
その結果、対象となる事業者は違反施設の撤去に応じる意向を示し、署名した誓約に基づき、10月30日までに違反施設をすべて自主撤去することになっている。
雨季入りを機に撤去と原状回復を加速
フン主席は、現在は雨季・台風シーズンに入り、観光の繁忙期も終わる時期にあたると説明する。地元当局は対象世帯・事業者に通知を送り、経済部門に対して現場の監視を強化し、撤去作業を促すよう指示している。
撤去後は、同じ場所で再び無断占有が起きないよう、海岸の利用状況を厳格に管理する方針だ。海岸保護区域の境界を明確にするとともに、公共の海岸アクセス通路についても位置や範囲を確認する。
さらに、海岸沿いの飲食店や観光サービスについて、法令に沿った営業空間の配置や整備方法も検討する。単に施設を撤去するだけでなく、地域の観光産業と公共空間の利用を両立させることが課題となる。
観光開発と公共の海岸利用の両立が焦点
ランコー湾は、海岸の景観や自然環境を観光資源とする地域である。飲食店などの営業施設が無秩序に拡大すれば、観光客の利便性や景観の魅力だけでなく、住民が利用する公共空間にも影響が及ぶ。
今回の撤去方針では、海岸への通路や保護区域の境界を明確にし、違反施設の再設置を防ぐことが重要となる。同時に、海岸沿いの観光サービスを適切に配置し、事業者の営業と公共空間の保全をどのように両立させるかが、今後の地域管理の焦点である。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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