住民「売っても足りない」 土地価格表の改定で税額急増
6月24日、ベトナム中北部のゲアン省で、土地の用途変更に伴う税額が土地の販売価格を上回るという事例が報じられ、住民から困惑の声が上がっている。ある家族が300㎡の土地を居住用地に転用し、子どもに分与・売却しようとしたところ、税額が45億ドン(約2500万円)に達した。だが、その土地の市場価値は30億ドン程度(約1700万円)に過ぎず、この住民は計画を断念した。
同様のケースが続出 用途変更税が10倍に跳ね上がる
同様のケースは、複数発生している。ヴィン市フンホア村では、3兄弟が両親から相続した土地を住宅用地に変更しようとしたところ、従来の税額が14億VND(770万円)だったのに対し、今年の土地価格設定改定後は約110億VND(約6000万円)に跳ね上がった。また、プックトー村でも、500㎡の土地を用途変更するのに60億VND(約3300万円)以上の税負担が発生し、実行できない状態となっている。
土地価格設定表の見直しへ 2025年版は最大15倍の値上げも
ゲアン省では2025年5月21日から新たな土地価格設定表が適用され、都市部・農村部ともに価格が2〜15倍引き上げられた。2024年施行の新しい土地法では、土地価格設定表はこれまでの4〜5年ごとの更新ではなく、毎年見直しが義務付けられるようになっている。
ゲアン省人民委員会のレ・ホン・ヴィン主席は、土地価格設定表の妥当性について再評価し、2026年の土地価格設定表に向けた見直しを指示したと述べた。
地元業者や専門家からも批判の声
不動産業者のファン・スアン・ゴック氏は「土地価格設定表が実勢価格を超えており、庭園用地を住居用地に変更する際の税額が高すぎるので、自分の土地を用途変更するより近隣の土地を購入する方が安くなる」と指摘する。たとえば、以前は150㎡の土地の転用に1.5億VNDしかかからなかったが、現在は4倍の6億VNDが必要になっていると述べた。
さらに、弁護士のタイ・シー・オアイ氏も、転用税率が従来の50%から100%に引き上げられたことに疑問を呈し、「親が子に与える土地など、一定の条件に限って税率を10〜20%に抑えるべきだ」と語った。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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