半導体・AI・防衛分野で協力拡大へ
ベトナムのトー・ラム国家主席兼共産党書記長は5月6日、インドを公式訪問し、ニューデリーの大統領府で歓迎式典に臨んだ。式典にはインドのドロウパディ・ムルム大統領とナレンドラ・モディ首相が出席した。
歓迎式典後、トー・ラム国家主席とモディ首相は首脳会談を行い、両国関係を「より高度な包括的な戦略的パートナーシップ(Đối tác chiến lược toàn diện tăng cường)」へ格上げすることで一致した。
両首脳は、「ビジョンの共有、戦略の融合、実質的協力」を掲げ、新たな段階の二国間関係を開始すると強調した。
2016年以降で急速に関係深化
モディ首相は、トー・ラム国家主席のインド公式訪問について、ベトナム共産党第14回党大会後、さらに国家指導体制の整備完了直後に実施された歴史的に重要な訪問であると位置付けた。
また、2026年が両国の包括的な戦略的パートナーシップ樹立10周年に当たることにも言及した。
一方、ベトナムのトー・ラム国家主席は、インドとの伝統的友好関係と包括的な戦略的パートナーシップを、ベトナム外交政策における最重要優先事項の一つと位置付けていると表明した。
さらに、インドが世界第4位の経済大国へ成長し、科学技術分野でも主要拠点となったことを高く評価した。
防衛・安全保障協力を「戦略的柱」に
両首脳は、防衛・安全保障協力が二国間関係の重要な柱であるとの認識を共有した。
今後は、防衛産業、安全保障産業、海洋安全保障、サイバーセキュリティー、情報共有、テロ対策分野での協力拡大を進める方針である。
インド側は、ベトナム軍・治安機関に対する訓練や能力向上支援を継続すると表明した。
2030年までに貿易額250億USD目標
経済分野では、サプライチェーンとグローバル・バリューチェーンの連携強化を進めることで一致した。
両国は、2030年までに貿易額250億USDの達成を目指す方針を確認。2025年の二国間貿易額は164億USD超に達している。
トー・ラム国家主席は、ベトナムがインドからの輸入拡大に前向きであると表明し、生産用原材料の調達先多様化を進める考えを示した。
また、インド側に対し、インド規格局(BIS)によるベトナム製品への基準規制緩和を段階的に検討するよう求めた。
半導体・AI・6Gを新たな協力分野に
両国は、科学技術、イノベーション、デジタル転換を今後の関係発展の原動力と位置付けた。
具体的には、以下の分野で協力を拡大する。
- 半導体
- 人工知能(AI)
- 情報技術
- 6G
- 医療
- 重要鉱物
- 原子力の平和利用
また、両国のテクノロジー企業による共同事業、研究開発センター、共同イノベーションセンター設立も推進する方針である。
ASEAN・南シナ海問題でも連携確認
地域・国際問題についても、両国は国連やASEAN関連枠組みで連携を強化することで一致した。
両首脳は、ASEANの中心性を支持するとともに、南シナ海を含む地域での平和・安定維持、航行・上空飛行の自由確保の重要性を確認した。
また、国際法、とりわけ1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、紛争を平和的手段で解決する必要性を改めて強調した。
科学技術・医療・観光分野で協力文書締結
会談後、両首脳は科学技術、重要鉱物、医療、観光・文化、金融、サイバーセキュリティー、地方協力、監査分野などに関する複数の協力文書署名式に立ち会った。
また、トー・ラム国家主席はモディ首相に対しベトナム訪問を正式招待し、モディ首相はこれを受諾した。



















