ベトナム首相、就任後初のASEAN首脳会議に出席
ベトナムのレ・ミン・フン首相は5月7日、フィリピン・セブで開催される第48回ASEAN首脳会議に出席するため、マクタン・セブ国際空港に到着した。
今回の訪問は、首相就任後初の外遊であり、また初めて直接参加する多国間首脳会議でもある。ベトナム政府は、ASEANにおける「積極的、能動的かつ責任ある貢献」を継続する姿勢を改めて示した形である。
フィリピンは2026年のASEAN議長国として、「共に未来を切り開く(Together Steering the Future)」をテーマに掲げている。
ASEANの結束と戦略的自立を重視
今回のASEAN首脳会議では、エネルギー安全保障や食料安全保障、市民保護などが主要議題となる。
また、域内連結性の強化やASEANの戦略的自立性、中心的役割の維持についても協議が行われる予定である。
レ・ミン・フン首相は会議で、ベトナム共産党第14回党大会の外交方針を踏まえた重要演説を行い、ASEAN共同体構築や地域のレジリエンス強化に向けた具体的提案を示す見通しだ。
さらに、中東情勢など国際環境の変化への対応についても各国と意見交換を行うとしている。
フィリピンと貿易100億USD目標を確認
フン首相は会議期間中、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領と会談した。
両首脳は、2026年が国交樹立50周年に当たることを確認し、戦略的パートナーシップの深化を推進する方針で一致した。また、二国間貿易額を早期に100億USDへ引き上げる目標を掲げた。
さらに、食料安全保障、エネルギー、海洋科学研究分野での協力強化でも合意した。
南シナ海問題については、ASEANと中国による「南シナ海行動規範(COC)」交渉を推進し、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく対応を支持する姿勢を確認した。
カンボジアとは国境・安全保障協力を強化
カンボジアのフン・マネット首相との会談では、安全保障協力と国境管理の強化が主要テーマとなった。
双方は、敵対勢力が互いの領土を利用して相手国の安全保障を脅かすことを許さない原則を再確認。越境犯罪対策や国境管理での協力継続でも一致した。
また、2035年までを視野に入れた新たな経済協力メカニズム構築や、ホーチミン市―モクバイ―バベット―プノンペン高速道路接続計画についても協議した。
未画定となっている国境線約16%については、引き続き交渉を進める方針を確認した。
東ティモールのASEAN正式加盟を支援
東ティモールのシャナナ・グスマン首相との会談では、同国が初めてASEAN首脳会議に正式加盟国として参加したことを歓迎した。
ベトナム側は、地域統合や経済発展支援のため、投資、通信、デジタル技術、エネルギー分野などで協力を拡大する意向を示した。
ADBに対しグリーン転換支援を要請
レ・ミン・フン首相は、アジア開発銀行(ADB)の神田眞人総裁とも会談した。
首相は、グリーン転換やサプライチェーン再編、気候変動対策などにおけるADBの支援拡大を要請。さらに、メコン地域協力やASEANとの連携強化を求めた。
ADB側は、2027~2031年の新たな対ベトナム国別パートナーシップ戦略策定を進める考えを示した。




















