公安省が交通安全関連政令の改正案提出
ベトナム公安省は、道路交通安全に関する政令168/2024号の改正案を提出し、旅客輸送車両への車内カメラ設置義務を強化する方針を示した。
司法省が公表した審査資料によれば、改正案では一定規模以上の旅客車両に対し、運転席だけでなく「客室内」の映像記録装置設置も義務付ける。
違反した場合、運転手個人だけでなく、運輸事業者にも罰金が科される内容となっている。
未設置なら運転手・企業双方に罰則
現行規定では、運転手を除いて8席以上の旅客輸送車両に対し、ドライブレコーダーの設置が義務付けられている。違反時の罰金は運転手に対し100万〜200万VNDである。
今回の改正案では、対象範囲をすべての旅客輸送事業車両へ拡大する方向だ。
さらに、8席以上の車両については、
- 客室内カメラ未設置
- カメラが故障・機能停止状態
の場合にも、運転手へ100万〜200万VNDの罰金を科すことを提案している。
加えて、運輸事業者側にも責任を負わせ、
- 個人事業者:500万〜600万VND
- 法人企業:1000万〜1200万VND
の罰金を科す案となっている。
違反事業者には、基準に適合したカメラ設置も義務付けられる。
2029年から客室カメラ義務化へ
公安省によれば、今回の改正は2026年7月1日に施行予定の「治安・秩序関連10法改正」に対応するものだ。
新法では、8席以上の旅客輸送車両に対し、
- 運行監視装置
- 運転手映像記録装置
- 客室映像記録装置
の搭載が義務化される。
このうち、客室カメラ義務化は2029年1月1日から段階的に適用される予定である。
一方、8席未満の旅客輸送車両に対する運転手監視カメラ義務は2028年1月1日から適用される。
「費用対効果」やプライバシー懸念も
改正案に対し、ベトナム自動車運輸協会は慎重な検討を求めている。
同協会は、
- 小型車両への設置義務の必要性
- 導入コストに見合う効果
- 乗客プライバシー侵害の懸念
を指摘した。
特に、乗客映像の記録については「私生活への干渉」と受け止められ、公共交通利用離れにつながる可能性もあるとしている。
政府「安全性向上につながる」
これに対し公安省は、新制度は法改正に基づくものであり、安全確保に必要な措置だと説明している。
政府によれば、現在ベトナム国内には、
- 8席以上の旅客輸送車両:約12万1041台
- 貨物車両および8席未満旅客車両:約30万台
が存在する。
導入費用は1台あたり120万〜180万VND程度と見積もられており、総コストは約5110億〜7570億VNDに達する見通しだ。
一方で政府は、
- 乗客安全性向上
- 過積載防止
- 苦情・トラブル時の証拠確保
- 運転手・企業保護
- 車内事故や違反行為への迅速対応
などの効果を期待している。
また、取得データの管理については、個人情報保護法令に従う必要があり、人格権や私生活侵害への利用は禁止されるとしている。




















