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ベトナム政府、企業支援策を相次ぎ検討 納税猶予や法人税優遇で景気下支えへ

ベトナム政府による支援が求められるベトナムの中小製造業
(C)THANH NIEN

ベトナム政府が企業活動を支援するため、納税期限の延長や税制優遇措置の拡充を検討している。世界経済の不透明感や国内需要の伸び悩みが続く中、企業の資金繰り改善を通じて経済成長を後押しする狙いである。

VAT・法人税・土地賃料の納付期限延長を提案

財政省は現在、2026年の付加価値税(VAT)、法人所得税、個人所得税および土地賃料の納付期限を延長する政令案を策定している。

提案によると、各種税金や土地賃料の納付期限を2〜5か月延長する。

月次申告企業の場合、2026年5月から9月分のVAT納付期限を後ろ倒しする。5月分は11月20日まで、6〜9月分は12月21日まで延長される見通しである。

四半期申告企業についても、第2四半期および第3四半期分のVATと法人税仮納付期限がそれぞれ11月2日、12月31日まで延長される予定だ。

個人事業主や事業世帯についても、対象期間の個人所得税について同様の納税猶予が適用される。

さらに土地賃料については、2026年前半分の50%について6か月の納付延期を認め、最長で11月2日まで支払いを猶予する案が示されている。

景気減速への対応が背景

財政省はこれまで実施してきた納税猶予措置について、企業の短期資金確保に効果があったと評価している。

政府によれば、2026年1〜5月のマクロ経済は概ね安定しているものの、多くの課題が残る。

工業・建設・サービス業の成長率は目標に届いておらず、商品・サービス需要も期待を下回っている。さらに6か月連続で貿易赤字が続き、拡大傾向にあるという。

また、異常気象や気候変動への対応、大気汚染や水質汚染、都市部の冠水や交通渋滞などの問題も依然として解決されていない。

こうした状況から、企業活動を支援するための追加措置が必要と判断した。

財政省は6月中にも政令を公布し、年内に適用を開始する方針である。

VCCI、中小企業向け11項目の支援策を提言

一方、ベトナム商工連盟(VCCI)は、中小企業支援法改正案に対し11項目の具体的提言を行った。

VCCIのダウ・アイン・トゥアン副事務総長は、ベトナム民間企業について「数は多いが規模が小さい」と指摘する。

国有企業以外の企業の約70%は資本金100億VND未満であり、81.4%は従業員10人未満の小規模企業であるという。

さらに2023年の利益率は約1.4%にとどまり、多くの企業が厳しい経営環境に置かれている。

法人税優遇や設備投資支援を要望

VCCIは、製造業や裾野産業に属する中堅企業まで法人税優遇措置の対象を拡大するよう提案した。

また、設備更新や技術革新への投資に対する優遇制度の導入も求めている。

VCCIは「税引き後利益を企業内に残せることが、最も実効性の高い再投資資金になる」と主張する。

知的財産や受注を担保とした融資制度も提案

金融支援については、知的財産権や受注契約、将来形成される資産を担保として活用できる仕組みの整備を要望した。

そのため、無形資産の評価基準を政府が整備し、製造業や裾野産業向けに年2%以上の利子補給制度を導入するよう提案している。

デジタル化・脱炭素投資への支援拡大も

VCCIはデジタル化支援について、ERP、生産管理システム(MES)、AI、IoTなどの導入費用の50%以上を補助する制度の導入を提案した。

また、環境・社会・ガバナンス(ESG)対応や脱炭素化についても、年3%の利子補給や認証取得費用の50%以上を補助する制度を求めている。

専門家「税制支援は最も即効性の高い景気対策」

経済専門家のレ・スアン・ギア博士は、財政省の納税猶予案を支持している。

同氏は、VAT減税が商品価格を引き下げて消費を刺激し、企業の在庫圧縮につながると説明する。

また、法人税の納税猶予については「企業にとって政府からの無利息融資と同じ効果を持つ」と評価した。

特に中小企業では、原材料費や人件費、物流費の上昇に加え、消費低迷による売上減少で資金繰りが悪化しており、税制支援の効果は極めて大きいと指摘している。

公共投資や社会住宅融資の改善も必要

ギア博士は、経済成長を押し上げるためには税制支援だけでなく、公共投資の停滞解消も重要だと主張する。

建設資材や人件費の上昇によって多くの公共事業が遅延しており、中小建設企業の経営を圧迫しているという。

さらに社会住宅向け融資制度についても、国家予算による利子補給を導入しなければ実効性を確保できないと指摘した。

「政策は出そろった、あとは実行が重要」

国会議員のチャン・ホアン・ガン氏は、民間経済発展を支援する制度や政策はすでに数多く整備されていると評価する。

その一方で、中央政府や地方政府による実施の遅れが課題だと指摘し、「重要なのは政策を迅速に実行し、企業が実際に恩恵を受けられるようにすることだ」と強調した。

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