ベトナム政府は7月1日、政治体制の再編と三層行政モデルの導入から1年が経過したことを受け、その成果を総括した。政府によれば、国民の行政サービスに対する満足度は83.08%に達し、89.09%の回答者が「公務員による嫌がらせや煩雑な対応は基本的になくなった」と評価したという。
行政機構のスリム化とデジタル化を推進
ハノイで開催された全国会議では、政治体制の組織改革および三層行政モデルの運用開始から1年間の成果が報告された。
会議には、トー・ラム書記長兼国家主席、レ・ミン・フン首相、チャン・タイン・マン国会議長らが出席した。
中央組織委員会のグエン・ズイ・ゴック委員長は、新たな行政モデル導入後の成果として、制度整備、行政機構改革、人事制度改革、デジタル化推進など6項目を挙げた。
同氏は「組織のスリム化とデジタル化が突破口となり、住民に近い行政の実現に寄与している」と述べた。
地方行政を再編、63省市から34省市へ統合
政府は行政区画の大規模再編も進めている。
省・中央直轄市は従来の63から34へ再編され、基礎自治体に相当するコミューン・街区レベルの行政単位は1万35から3,321へ削減された。
また、郡・県レベルの行政単位696か所が廃止され、中央―省―基礎自治体を直結する新たな行政運営体制へ移行した。
政府はこれにより、中間組織を減らし、行政資源の効率化や地域統治能力の向上を図るとしている。
公務員の「嫌がらせ」は89%が改善を実感
報告によると、行政改革とデジタル化の推進は住民サービスの改善にもつながっている。
国民満足度は83.08%となり、89.09%の回答者が「公務員による嫌がらせや煩雑な手続きは基本的になくなった」と回答した。
ベトナムでは従来、一部行政機関で手続きの遅延や非公式な要求などが問題視され、「煩わせるや嫌がらせをする」という言葉が行政改革の議論でたびたび用いられてきた。
政府は今回の結果を、行政機構の合理化とオンライン行政サービスの普及による成果として位置付けている。
なお課題も 地域格差やデータ連携の遅れ指摘
一方で、政府は依然として課題も残ると認めている。
行政機構は整理されたものの、地域によって運営能力に差があり、特に地方部や山間地域では改革効果が十分に発揮されていないという。
また、職員の専門性にばらつきがあるほか、データ統合の進展が遅れていることも課題として挙げられた。
さらに、一部のコミューンでは法定基準を満たしていないケースが残っているほか、財政運営や公共投資管理、公有資産の有効活用についても改善の余地があるとしている。
「近い政府」の実現へ継続改革
ベトナム政府は近年、行政手続きの簡素化やデジタル化を重点政策として進めており、今回の評価結果はその一定の成果を示すものとなった。
ただし、都市部と地方部の格差解消や行政サービスの均質化など、改革の実効性を高めるための取り組みは今後も継続していく必要がありそうだ。



















