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ベトナムとニュージーランド、戦略的パートナーシップ深化へ 貿易・教育・直行便で協力

ベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席とニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相
(C)THANH NIEN

マオリの伝統儀式でベトナム代表団を歓迎

ニュージーランドのオークランドで8月13日、国賓として同国を訪問したベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席を迎える歓迎式典が行われた。

式典はニュージーランド総督のシンディ・キロ氏が主催し、外国元首の国賓訪問にふさわしい格式ある形で実施された。

特に注目されたのが、ニュージーランド先住民マオリの伝統的な歓迎儀礼である。

マオリの長老2人が、鼻と鼻を合わせる「ホンギ(hongi)」の儀礼でトー・ラム国家主席を迎えたほか、戦士による伝統的な舞踊や歌、掛け声などが披露された。

歓迎式典では、ベトナムとニュージーランドの友好関係を象徴するように、伝統文化を通じた交流が行われた。

「共通の信頼」が両国を結ぶ

その後の会談でキロ総督は、今回の訪問が両国関係をさらに深める歴史的な機会になるとの認識を示した。

ニュージーランドとベトナムは、広大な海によって隔てられている一方、平和で安定し、繁栄する地域を目指すという共通の考えによって結ばれていると指摘。国際情勢が不安定さを増す中、両国が協力を一段と強化する重要性を強調した。

また、両国関係を支える要素として、約1万5,000人の在ニュージーランド・ベトナム人コミュニティの存在にも言及した。

キロ総督は、ベトナムの詩人チェー・ラン・ヴィエンの詩の一節を引用し、ニュージーランドを第二の故郷として選んだベトナム人が、祖国への思いを持ちながら、新たな故郷にも知識や技能、経験をもたらしていると評価した。

半世紀を超える関係を新たな段階へ

トー・ラム国家主席は、ニュージーランドがベトナムにとって重要な友人であり、信頼できるパートナーであると強調した。

両国の外交関係は2025年に50周年を迎え、その節目に「包括的な戦略的パートナーシップ」へ格上げされている。

ベトナム側は、ニュージーランドによる人材育成や政府開発援助(ODA)など、農業、気候変動対策、防災、教育など幅広い分野での支援を評価した。

今後については、教育、農業、気候変動対策、ジェンダー平等などで協力をさらに拡大する方針を示した。

また、約1万5,000人のベトナム人コミュニティを両国の友好関係をつなぐ重要な架け橋と位置付け、ニュージーランド側にさらなる支援を求めた。

貿易・投資、農業で協力を拡大

トー・ラム国家主席は同日、ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相とも会談した。

両首脳は、政治的信頼を強化するとともに、両国の包括的な戦略的パートナーシップを実質的な成果につなげることで一致した。

特に重視されたのが貿易・投資である。

両国経済には高い補完性があるとして、農産物や水産物を中心に市場アクセスを拡大し、技術的障壁の削減、品質基準や検疫、食品安全、電子認証などの分野で協力する方針を確認した。

また、両国が参加するCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的協定)、RCEP(地域的な包括的経済連携)、ASEAN・豪州・ニュージーランド自由貿易地域(AANZFTA)などを活用し、企業間の投資・貿易を促進する。

農業分野では、ベトナムがニュージーランドの経験を生かしながら、環境負荷の低いグリーン農業、気候変動に適応した農業、食料安全保障、高付加価値化などを進める考えを示した。

AI・デジタル分野でも連携

科学技術、イノベーション、デジタル化も今後の重要分野となる。

ラクソン首相は、ベトナムがAIを活用してデータ主権やデジタル主権を確保しようとしている取り組みを評価した。

ニュージーランドは今後、デジタル政府の構築、科学技術の発展を支えるエコシステム、イノベーションセンターやスタートアップ支援などについて、ベトナムとの知識・経験の共有を進める方針である。

教育と人的交流を関係強化の柱に

両国は、教育、観光、人的交流についても協力を拡大する。

特に人材育成では、高度な知識や専門性、技能を持つ人材の育成に向け、教育機関などの連携を強化する。

トー・ラム国家主席は、ニュージーランドの大学や研究機関の教育・研究力を評価し、ベトナムの教育改革における協力を求めた。

さらに、ベトナムが英語を第二言語として定着させることを目指す取り組みについても、ニュージーランドの支援に期待を示した。

両国を結ぶ直行便の早期開設へ

今回の協議で、特に実務面で注目されるのが両国間の直行便である。

両首脳は、ベトナムとニュージーランドを直接結ぶ航空路を早期に開設する必要性で一致した。

直行便が実現すれば、観光だけでなく、留学、ビジネス、人的交流にも大きな効果が期待される。

両国はまた、ニュージーランドへの入国手続きやビザの利便性向上についても検討する方針を示した。

ASEAN・APECでも連携

地域・国際問題についても、両国は協力を強化する。

ベトナムは2024~2027年のASEAN・ニュージーランド関係の調整役を務めており、ニュージーランドがASEANとの関係を包括的な戦略的パートナーシップへ格上げする過程でも支援してきた。

ニュージーランドは、ベトナムが2027年にAPEC(アジア太平洋経済協力)を主催する際にも支援する方針を表明した。

両国は国連など多国間の枠組みにおける連携を強化し、国際法の尊重、地域の平和と安定、南シナ海問題の平和的解決などについても共通認識を確認した。

議会間交流とベトナム人コミュニティにも注目

トー・ラム国家主席は同日、ニュージーランド議会のジェリー・ブラウンリー議長とも会談した。

ブラウンリー議長は、ベトナムの経済・社会発展や制度改革、科学技術、イノベーションへの取り組みを評価し、ニュージーランドがベトナムとの関係強化を引き続き支援すると表明した。

また、ニュージーランドで学び、働くベトナム人の若者が増えることへの期待も示した。

トー・ラム国家主席は、ニュージーランド議会にベトナム系議員が存在することにも言及し、同国のベトナム人コミュニティが両国関係に貢献していることを評価した。

両国は、スマート農業、高度農業、クリーン農業、グリーン農業など、双方の強みを生かした協力も推進する。

今回の訪問を通じて、ベトナムとニュージーランドは、外交・安全保障だけでなく、農業、貿易、教育、AI・デジタル、観光、人的交流、航空路まで協力分野を広げる方向性を明確にした。

2025年に外交関係樹立50周年を迎え、包括的な戦略的パートナーシップへ格上げされた両国関係は、今後、具体的な事業や人の往来を伴う段階へ移行することになる。

特に直行便の開設と教育・人材交流の拡大は、両国の距離を実質的に縮める取り組みとして、今後の進展が注目される。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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