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ベトナム北部・北中部で大雨被害拡大 ハノイで道路冠水、1万戸超が浸水

深刻な浸水被害に見舞われたハノイ市タインスアン区
(C)THANH NIEN

ベトナム北部から北中部にかけて、5日連続となる大雨の影響で洪水や土砂災害が相次いでいる。9月17日には首都ハノイでも市内の広い範囲で道路が深く冠水し、通勤・通学に大きな影響が出た。

地方では河川の増水による住宅浸水や堤防の越水、道路の寸断が発生しており、タインホア省では8,400戸を超える住宅が浸水した。ニンビン省でも3,000戸以上が浸水するなど、各地で住民の避難が続いている。

ハノイで5日連続の大雨、通勤・通学に影響

ハノイでは9月16日夜から17日朝にかけても激しい雨が続き、市内の複数の道路で深刻な冠水が発生した。

道路が川のようになったことで交通は大きく混乱し、子どもを学校へ送った後に出勤する住民などが、深い冠水箇所を避けながら移動する状況となった。

私立学校では、マリー・キュリー校が幼稚園から中学校までを休校とし、高校はオンライン授業に切り替えた。学校のスクールバスが、冠水した道路を通って児童・生徒を送迎することが困難になったためである。

このほか、グエン・シエウ、オリンピア、ルーン・テー・ビン、ドアン・ティ・ディエムなど複数の私立学校でも、オンライン授業への変更や、保護者が登校方法を選択できる措置が取られた。

一方、公立学校の多くは通常通り授業を実施した。冠水の深い一部の学校では休校となったものの、学校を休校とするには教育当局の承認が必要なケースもあり、対応に違いが生じた。

ハノイ市が学校に対応を要請

9月17日正午までに、ハノイ市教育訓練局は各学校に対して緊急文書を発出した。

これにより、各学校には天候に応じて授業時間や授業形態を自主的に変更する権限が与えられた。また、安全上のリスクがある地域では屋外活動を全面的に停止するよう求めた。

学校側には保護者との連絡体制を整え、児童・生徒が深い冠水地域を単独で通行しないようにすることも要請された。

寄宿型の学校については、悪天候によって生徒が学校に留まらざるを得なくなった場合に備え、食料や休息場所など必要な環境を確保することも求められている。

累積雨量570mm超、排水に河川水位も影響

ハノイ市建設局の技術インフラ管理センターによると、9月14日から続く雨により、市内の複数地域で累積雨量が400mmを超えた。

特にイエンソーでは570mm以上、ハイバーチュン区では550mmを超える雨量を観測した。

大量の雨に加えて河川の水位が上昇したことで、雨水を自然に排出する能力が低下し、一部地域では水が引きにくい状態となった。

一方、市のインフラ管理当局は、都市排水システムについては「基本的に安定して運用されている」と評価している。緊急的な浸水対策施設の運用により、市中心部では大規模な浸水を回避できたほか、ハノイ西部の一部地域でも比較的速やかに排水が進んだという。

主要ポンプ場や調整池、水門を連携して運用したことも、浸水範囲と浸水時間の抑制につながったとしている。

ただし、郊外では状況が異なる。水位の上昇によってブイ2堤防が全線で越水し、スアンマイ、クアンビなどの地域で約2,500人に影響が出たほか、クアンビでは146戸が浸水した。

タインホアで8,400戸超が浸水

北中部のタインホア省でも、大雨と上流からの流入によって河川の水位が急上昇した。

ブオイ川、イエン川、カウチャイ川など複数の河川で警戒水位3を超え、河川沿いを中心に8,400戸以上が浸水した。

ノンコン、キムタン、タックビン、ハーチュン、リンホアイ、ハムロン街区などで被害が広がり、一部地域では住宅が0.5~1.5m浸水した。住民は家財道具を移動させ、安全な場所への避難を進めている。

また、増水したホアット川の流れによって堤防が損傷し、トンソン地域では水路の堤防が約20mにわたって決壊した。流れ込んだ水によって約700ヘクタールの農地が影響を受け、その大部分が水田である。

道路の崩落や寸断も相次ぐ

大雨と増水は道路インフラにも大きな影響を与えている。

9月17日には、国道や省道、集落間道路などで多数の冠水・土砂災害が確認された。

タインホア省プーニーでは、国道15C号線の一部が大きく損傷し、道路を全面通行止めとした。また、ドンルオンでは省道530号線でも大規模な土砂災害が発生し、ドンルーンやバンフーと平野部との交通が一部寸断された。

ニンビン省でもホアンロン川とダイ川の水位が上昇し、堤防外の地域を中心に3,000戸以上が浸水した。

ゲアン省では1,000人以上が孤立

ゲアン省北部でも、9月16日夜から17日朝にかけての大雨によって複数の地域で浸水が続いた。

大雨を受け、ブックマウ灌漑湖では2カ所の放水設備を開いて水量を調整した。この影響で下流に位置するホアンマイ、タンマイ、クインマイなどで浸水が発生した。

住宅への浸水や道路の寸断が相次ぎ、当局は早朝から住民の避難や家財道具の移動を支援した。水位の上昇により、休校となった学校もある。

山間部では国道や集落道路で土砂や岩石が崩れ、渓流や道路上の橋でも水位が上昇した。

イエンホアの山間地域では洪水によって橋が流され、複数の集落に住む1,000人以上が外部との交通を断たれた。

フートー省では土砂災害で3人死亡

今回の大雨では、土砂災害による人的被害も発生している。

フートー省ダーバックのトゥリー村では9月17日、住宅に約40立方メートルの土砂が流れ込み、寝室2室が倒壊した。この土砂災害により3人が死亡した。

ベトナム国立気象予報センターによると、今回の長雨は中部を通過する熱帯収束帯と、9月12日にクアンチ省へ上陸した熱帯低気圧の影響に加え、シーズン初期の北東モンスーンが重なったことが要因となっている。

これらの気象条件によって、タインホア省からダナン市にかけての地域や、クアンガイ省からダックラック省にかけての東部、さらに北部の平野・中部丘陵地域で長期間の大雨となった。

大雨の中心は南から北へ移動する傾向にあるという。

18日以降も土砂災害に警戒

9月18日以降、大雨は次第に弱まると予想されている。ただし、長期間の降雨によって地盤が大量の水を含んでいるため、今後2~3日間は土石流や土砂災害への警戒が必要となる。

また、北部と北中部の河川では水位が低下するまで時間がかかるとみられており、河川沿いでは今後数日間にわたって浸水が続く可能性がある。

今回の大雨は、ハノイの都市交通や学校生活を混乱させただけでなく、北部・北中部の広い地域で住宅浸水、農地被害、道路寸断、避難などを引き起こしている。雨が弱まった後も、河川の増水と地盤の緩みによる二次災害への警戒が必要な状況である。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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