ベトナム進出を検討する企業から、「ホーチミン市とハノイで売り方を変えるべきか」とよく相談を受けます。当社は2026年8月、両都市の20~40代200人に、普段どの店で買い物をするかを調査しました。見えてきたのは、店が「近所の店」と「わざわざ行く店」に分かれている構造です。
小型店では、コンビニ各社の利用経験は合わせて7割近くに達しますが、最も頻繁に使う店に選ばれるのは2割弱に留まります。日常を担うのは生鮮を扱うミニスーパーで、ホーチミン市ではBach Hoa Xanhが5割、ハノイではWinMart+が7割超。挙がる店が違うのは各社の出店網の差ですが、生鮮の有無が役割を分ける点は南北で共通です。
日系コンビニは20代の利用が高く、FamilyMartはホーチミン市で54%が利用経験を持ちます。利便性は支持されるものの、生鮮の取り扱いが限られ、日常の買物の場としての役割は限定的です。
スーパーで店を選ぶ理由は「近さ」が9割超と条件になります。ただ差がつくのはその次の理由です。ハノイで4割弱を占めるWinMartは生鮮の品質が支持される一方、価格を挙げた人は33%に留まります。逆にBig C/GO!は価格が68%と突出し、近さは61%と低い。遠くても安さのために足を運ぶ店として、南北を問わず2割の支持を得ています。
そのさらに外側にあるのがイオンです。利用経験は6割に達しながら最頻利用は1割程度。品揃え73%、店舗環境58%と評価は高く、日常の受け皿ではなく目的地として選ばれています。「近隣にあって欲しい店舗」で55%と1位になったのは、この評価の裏返しです。
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黒川 賢吾 Kengo Kurokawa
Asia Plus創業者兼代表取締役。NTT、ソニー、ユニクロを経てベトナムで起業。ベトナム最大級のオンラインリサーチパネルを利用して年間200以上の調査をこなすリサーチのプロ。