ベトナム南部のタイニン省は、日本企業との投資・事業協力の拡大を進めている。2026年10月22日、東京で開催した投資促進会議で、タイニン省は総額2,000万USD超に相当する7件の協力案件をまとめた。対象分野は工業生産、農業、貿易などで、工場建設や環境関連事業も含まれる。
タイニン省はホーチミン市とメコンデルタ、カンボジアを結ぶ立地を強みとしており、ハイテク産業、裾野産業、物流、農産物の高付加価値加工、グリーン・トランスフォーメーションなどへの日本企業の投資を呼び込む方針である。
南部の成長拠点として日本企業の投資を誘致
今回の投資促進会議は、タイニン省人民委員会が在日ベトナム大使館、ベトナム・日本経済協力促進協会と連携して開催した。ファム・クアン・ヒウ駐日ベトナム大使やタイニン省人民委員会のレ・バン・ハン主席のほか、両国の企業や投資家が参加した。
ヒウ大使は、ベトナムと日本の関係がこれまでで最も良好な段階にあると述べ、これを両国の地方政府や企業が協力を拡大するための基盤と位置付けた。
ハン主席は、日本をタイニン省にとって重要で信頼できる長期的なパートナーと説明した。タイニン省はホーチミン市とメコンデルタ、カンボジアを結ぶ位置にあり、2026年1~9月の経済成長率は南部地域で最も高い10.3%に達した。
今後の重点誘致分野には、ハイテク産業、裾野産業、物流、農産物の高度加工、グリーン転換が含まれている。
日本企業177案件、登録投資額は14億USD超
タイニン省財務局のホン・レ・ミン・グエット副局長によると、同省では日本企業による投資案件が177件あり、登録投資総額は14億USDを超える。
同省に投資する40超の国・地域のうち、日本は案件数で4位、登録投資額で5位に位置している。
また、タイニン省には100カ所の工業団地と108カ所の工業クラスターがあり、総面積は3万7,500ヘクタールを超える。このうち、1,400ヘクタール超の用地が新規投資を受け入れられる状態にあるという。
こうした産業用地の供給力を背景に、同省は日本企業による新規工場の建設や生産拠点の拡張を促したい考えである。
工場建設や環境関連など7件の協力案件
東京での会議では、投資、貿易、農業、生産事業などを対象に5件の協力覚書が取り交わされた。工業団地開発などを手掛けるCosmopark Industrialは、このうち3件に関与している。
主な案件は以下の通りである。
- 無焼成レンガ工場: Cosmopark IndustrialとZEN社が協力。投資額は560万USDを予定。
- 機械加工工場: Cosmopark IndustrialとYAEI社が協力。投資額は560万USD以上を見込む。
さらに、先に大阪で開催されたセミナーでは、Cosmopark Industrialが新たに2件の協力案件をまとめた。
- 金属加工工場: SEIWA社が事業を計画し、投資額は840万USD以上を見込む。
- 排水処理事業: ASTEC社が協力する。
これらの案件は、タイニン省ドゥックフエ社に位置するCosmoparkエコ工業団地での実施を予定している。
東京での5件と大阪での2件を合わせ、今回の投資促進活動では計7件の協力案件が示された。なお、これらは協力覚書などに基づく計画段階の案件であり、各工場の建設完了や実際の投資実行を意味するものではない。
日本企業の進出先として産業基盤の整備を進める
ハン主席は、日本の経営理念として知られる「三方よし」にも言及した。売り手、買い手、社会の三者に利益をもたらすという考え方であり、企業の成功はタイニン省の成功でもあると述べた。
今回の投資促進活動では、工場建設や機械加工に加え、排水処理などの環境関連事業も協力対象となった。タイニン省が日本企業に期待する役割は、単なる生産拠点の設置にとどまらず、地域の産業基盤や環境対応を含めた事業展開へ広がっている。
今後は、発表された協力案件が実際の投資決定や工場建設に進むかどうかに加え、同省の産業用地や物流面の優位性が、日本企業の具体的な進出計画に結び付くかが注目される。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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