ASEAN首脳会議開幕 地域結束と安全保障強化を協議
フィリピン・セブで第48回ASEAN首脳会議
第48回ASEAN首脳会議が5月8日午前、フィリピン・セブのマクタン・エキスポ・コンベンションセンターで開幕した。
ベトナムからはレ・ミン・フン首相率いる代表団が出席した。
開会演説で、フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、ASEAN共同体ビジョン2045を基盤とする「新たな発展段階」に入る重要な会議だと強調した。
「共に未来を切り開く」が2026年テーマ
開会式後の全体会合では、ASEAN各国首脳が中東情勢をはじめとする複雑な地政学的変動について意見交換を行った。
各国首脳は、中東紛争が地域と世界の平和・安定、エネルギー供給網、市民の安全に深刻な影響を及ぼしているとの認識を共有した。
そのうえで、対話促進、平和的解決、国際法および国連憲章尊重の重要性を改めて確認した。
また、フィリピンが2026年ASEAN議長国として掲げる「共に未来を切り開く(Together Steering Our Shared Future)」の方針にも支持が集まった。
重点分野としては、
- 非伝統的安全保障課題への共同対応
- 経済連結性・デジタル化・持続可能成長
- ASEAN市民中心の共同体構築
の3本柱が示された。
ASEAN結束強化の必要性を強調
ASEAN各国は、現在の国際情勢下では、ASEANの団結と中心性維持がこれまで以上に重要だとの認識を共有した。
また、エネルギー安全保障、食料安全保障、経済安定、サプライチェーン維持などの分野で、域内協力を強化する必要性を強調した。
ベトナム、緊急時の食料支援を表明
全体会合で演説したレ・ミン・フン首相は、フィリピン議長国の優先課題を支持し、ASEAN各国と協力して実現に取り組む姿勢を示した。
フン首相は、「ASEANがどのような影響を受けるかどうかではなく、どのように共に対応するかが問われている」と述べ、3つの提案を提示した。
まず、エネルギー安全保障、食料安全保障、人間の安全保障を優先課題とし、ASEAN石油安全保障協定や2026〜2030年ASEANエネルギー協力行動計画、ASEAN電力網、ASEANガスパイプライン構想を推進すべきだと提案した。
また、エネルギー源多角化、エネルギー転換、グリーン金融や先端技術へのアクセス拡大も訴えた。
食料安全保障では、既存協力枠組み強化に加え、コメや必需品の緊急備蓄制度創設を提案した。
そのうえで、ベトナムは緊急時に食料支援を行う用意があり、ASEAN加盟国と経験共有や領事支援協力を進める考えを示した。
デジタル経済協定の早期妥結訴え
フン首相はさらに、ASEANの経済的耐性強化に向け、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の効果的実施と、ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)の早期妥結を呼びかけた。
加えて、緊急事態時の分野横断的調整強化やASEAN事務局の調整機能向上も提案した。
ASEAN首脳、ベトナム提案を高評価
ベトナム側の提案について、ASEAN各国首脳は内容とタイミングの両面で高く評価した。
会議では、ベトナム提案を踏まえ、中東情勢の影響に対応する地域レジリエンス強化行動に関するASEAN首脳声明を採択する方向で一致した。




















