ホーチミン市の飲食店で、生成AIを活用して制作した看板が目立つようになっている。
料理の写真やイラスト、文字などをAIで作成することで、専門のデザイナーに依頼するよりも低コストかつ短時間で看板を用意できるのがメリットである。一方、SNSでは「料理が偽物のように見える」「店に入りたいと思わない」といった否定的な意見も出ており、賛否が分かれている。
「AI看板が街にあふれている」との声
最近、ホーチミン市の街中でAIを使った看板が増えていることを受け、SNS上ではさまざまな意見が寄せられている。
「AI看板が街中にあふれている」と感じる人がいる一方、「AIで作った看板を使う店には入りたくない」という声もある。
ある利用者は、AIで生成された料理の画像について、実際の料理とは異なるため「偽物のように感じる」と指摘。看板を見ても食欲をそそられず、AI看板を掲げた店にはあまり関心を持てないという。
また、「看板をデザイナーに依頼することさえ惜しむ店なら、料理はどうなのか」と、看板への姿勢から店の品質を推測する意見も見られた。
一方で「飲食店は料理とサービスが重要」
こうした否定的な意見に対しては、AI看板を支持する声も少なくない。
「飲食店経営は厳しく、競争も激しい。店主がコストを抑えたいのは当然」といった意見や、「飲食店で重要なのは看板ではなく、店内の雰囲気、料理、サービスではないか」との指摘もある。
AIを使った看板そのものを「きれいで良い」と評価する利用者もおり、SNSでは意見が大きく分かれている。
店主「低価格の店だからAIでコストを抑えた」
最近ホーチミン市で飲食店を開業したTさんも、AIを使って看板を制作した一人である。
Tさんによると、AIを利用することでデザイン費用を抑えられるだけでなく、自分が希望するデザインを短時間で作れるという。
「うちは庶民的な価格帯の店なので、デザイナーに依頼すれば費用がかかる。AIを使えばコストを抑えられる」と話す。
また、看板のすべてをAIで作るのではなく、実際の料理写真なども組み合わせているため、料理の画像についてもできるだけ現実感を持たせているという。
Tさんは、店の魅力は看板だけで決まるものではないと考えている。
食材の品質、店員の親しみやすさ、丁寧なサービス、手頃な価格こそが飲食店の魅力につながるという考えである。
開店後には常連客もつき、看板について意見を受けることはほとんどなく、むしろ料理の品質について意見をもらうことが多いという。
「私は従来の看板のほうが好き」
一方、ビンドン地区でフォー店を経営するNさんは、AI看板には変更せず、これまで3年間使ってきた従来型の看板を気に入っているという。
Nさん自身はAIに詳しくないものの、AI看板を使うことが良いか悪いかについては判断していない。
「店の看板は、それぞれの店主が選べばいい」という考えだ。
もし看板を作り直す場合には、デザイン業界で働く知人に依頼するつもりだという。
客からは「手作りの看板が好き」
Nさんのフォー店に通うホーチミン市在住のグエン・ホアン・チュンさんは、最近、街中でAIを使った飲食店の看板が増えたと感じている。
AI看板については、「目を引くものもある一方、文字のフォントや料理の画像が不自然で、かえって雑然として見えるものもある」と話す。
特にAI看板を使っているのは庶民的な飲食店が多く、店主が経費を抑えようとしているのだろうと理解を示す一方、自身は「丁寧にデザインされた看板や、手描きの看板のほうが好きだ」と話している。
ただし、看板が店を選ぶ決定的な要素ではないという点では、店主と意見が一致する。
最終的に選ばれるのは「料理・サービス・価格」
チュンさんが飲食店を選ぶ際に重視するのは、料理の味、サービス、価格の3点である。
実際、何度も通っている店も、看板が特別に美しいからではなく、料理がおいしく、サービスが良く、価格も手頃だからだという。
この点は、今回のAI看板を巡る議論を考えるうえで興味深い。
AIによって看板制作のハードルが下がり、飲食店にとっては低コストでデザイン性の高い看板を作れるようになった。一方で、AI特有の「人工的な見た目」や、どこか似通ったデザインを嫌う消費者もいる。
AI看板が集客につながるのか、それとも店の個性を失わせるのか。
ホーチミン市の飲食店街では、AIによる効率化と、手作りならではの個性のどちらを選ぶのかという、新たな「看板論争」が始まっている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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