ベトナムでは9月10日、労働分野などにおける行政違反への罰則を定めた政令283/2026/NĐ-CPが施行された。給与の支払いに関する違反について、労働者の人数に応じて罰金を科すほか、企業には未払い・不足分の給与と利息の支払いも求められる。
組織としての雇用主に対する罰金は個人の場合の2倍となり、違反内容によっては最大1億VNDに達する。
給与の遅配や未払いに最大1億VND
政令283号の第23条では、給与に関する複数の違反について罰則を定めている。
対象となるのは、給与を期限内に支払わない行為のほか、労働契約で定めた給与を支払わない、または全額支払わない行為、時間外労働や深夜労働に対する給与、業務停止期間中の給与を適切に支払わない行為などである。
罰金は違反した労働者の人数に応じて設定されており、雇用主が個人の場合は次の通りとなる。
- 1~10人:500万~1,000万VND
- 11~50人:1,000万~2,000万VND
- 51~100人:2,000万~3,000万VND
- 101~300人:3,000万~4,000万VND
- 301人以上:4,000万~5,000万VND
雇用主が企業などの組織である場合、罰金は個人の場合の2倍となる。そのため、301人以上の労働者に関する給与支払い違反では、最大1億VNDの罰金となる。
最低賃金を下回る給与にも罰則
最低賃金を下回る給与を支払った場合についても、違反した労働者数に応じて罰金が設定されている。
1~10人の場合は2,000万~3,000万VND、11~50人の場合は3,000万~5,000万VND、51人以上の場合は5,000万~7,500万VNDとなる。
企業などの組織に対しては、これらの罰金も個人の雇用主に対する金額の2倍が適用される。
給与の不足分だけでなく利息も支払い
今回の政令で注意すべきなのは、罰金を支払えば終わりではない点である。
給与の未払い・不足払いなどの違反があった場合、雇用主は不足している給与を労働者に支払うとともに、遅れて支払った金額に対する利息も支払わなければならない。
利息は、処分時点で国営商業銀行が公表している普通預金の最高金利を基準として計算される。
また、社会保険、医療保険、失業保険への加入対象ではない労働者について、雇用主がこれらの保険料に相当する金額を支払う義務があるにもかかわらず、支払わなかった、または不足していた場合も、不足額と利息を支払う必要がある。
つまり、企業にとっては罰金に加えて、未払い・不足分の給与や関連する金額を精算する義務が発生することになる。
給与の使い道を制限する行為も対象
政令283号は、単純な給与の遅配・未払いだけを対象としているわけではない。
雇用主が労働者による給与の使途決定に介入・制限したり、給与を使って雇用主や雇用主が指定した事業者の商品を購入したり、サービスを利用するよう強制した場合も罰則の対象となる。
さらに、法令に反して給与を控除する行為や、別の業務へ一時的に配置転換した場合、ストライキ期間中、退職・失業時の未消化有給休暇に相当する給与を適切に支払わない行為などについても罰則が設けられている。
業務停止処分を受けた労働者に対し、規定された給与の前払いを行わない、または不足して支払った場合も対象となる。
労働協約をめぐる違反にも罰則
政令283号では、労働協約の締結などをめぐる違反についても罰則を定めている。
団体交渉を求められたにもかかわらず交渉を拒否した場合や、無効とされた労働協約の内容を実施した場合、労働者代表組織による協議や労働者への意見聴取、労働協約案への投票などを妨害・干渉した場合などが対象となる。
罰金は雇用主が個人の場合で最大1,500万VND、組織の場合で最大3,000万VNDとなる。
企業は給与支払いの実務確認が必要に
今回の政令では、給与を期限通りに支払うことだけでなく、時間外・深夜労働、業務停止、退職時の未消化有給休暇、給与控除など、給与計算のさまざまな場面が罰則の対象として明確に規定されている。
特に企業の場合、違反に対する罰金が個人の雇用主の2倍となるため、違反する労働者数が多い企業ほど影響は大きくなる。
ベトナムで従業員を雇用する企業にとっては、給与支払日の管理だけでなく、時間外・深夜勤務の給与計算、給与控除、退職時の精算など、日常的な労務管理についても改めて確認する必要がある。
政令283/2026/NĐ-CPは2026年9月10日に施行された。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN





























