ベトナム、2030年までに新空港7カ所を開業へ
ベトナム政府は2030年までに新たに7つの空港を開業し、急増する航空需要への対応を進める方針である。ロンタイン国際空港やザービン国際空港をはじめとする大型プロジェクトを推進し、空港システム全体の年間旅客処理能力を2億1,000万~2億2,000万人へ拡大する計画だ。
全国空港計画の見直しを実施
建設省はこのほど、2021~2030年の全国空港システム計画および2050年までの長期ビジョンについて、総合的な見直し状況を首相へ報告した。
現在、ベトナム国内には22の既存空港があり、新たに5空港の建設が進められている。対象となるのはロンタイン、ザービン、クアンチ、ファンティエット、トーチューの各空港である。
既存22空港のうち20空港はベトナム空港総公社(ACV)が管理・運営している。一方、バンドン空港とフーコック空港はサングループ傘下企業が運営している。
2030年までに空港数は30カ所へ
2023年6月に承認された空港システム計画によると、2030年までに全国の空港数は30カ所となる見通しである。
内訳は、
- 国際空港:14カ所
- 国内空港:16カ所
となる。
さらに2050年までには33空港体制へ拡大し、国内空港を19カ所まで増やす計画である。
建設省によると、投資拡張が必要とされる22空港のうち、すでに14空港については個別計画の策定・承認作業を完了している。残る8空港についても現在計画策定を進めている。
ロンタイン空港など7空港が新規開業へ
建設省は2030年までに以下の7空港を新たに供用開始する方針を示した。
- ロンタイン空港(ドンナイ省)
- ザービン空港(バクニン省)
- クアンチ空港
- ファンティエット空港
- サパ空港
- トーチュー空港
- タインソン空港
これと並行して既存空港の拡張・近代化も進める。
その結果、全国空港システムの年間旅客処理能力は約2億1,000万~2億2,000万人へ拡大する見込みである。
投資総額は約485VND規模
建設省は2021~2030年における空港システム整備の総投資額を約485兆VNDと試算している。
このうち約55%を国家予算などの公的資金が占め、残りは民間投資から調達する計画である。
資金調達構造については、国家予算への依存度を低下させる一方で、
- 民間資本の活用
- PPP(官民連携)方式
を拡大する方向へ転換している。
航空旅客数は2030年に1億9,000万人超へ
専門機関の予測によると、ベトナム経済が高成長を維持した場合、2030年の航空旅客需要は年間1億9,100万人を超える見込みである。
2026~2030年の年間平均成長率は約9.7%と予測されている。
また、航空貨物需要については2030年に年間約375万トンへ拡大し、同期間の平均成長率は約19.3%に達すると見込まれている。
特に電子機器やハイテク産業の輸出拡大に伴い、航空貨物輸送の需要増加が期待されている。
採算性を踏まえ空港計画を再評価
建設省は今後の計画見直しにおいて、既存の候補地だけでなく、新たな候補地についても検討を進める方針を示した。
一方で、需要が見込めなくなった空港については計画から除外する可能性もある。
また、立地や需要予測、運営条件などについて十分な検証が終わっていない案件は、「潜在的空港候補」として整理し、将来的な需要動向を見ながら改めて評価する考えである。
航空インフラ整備が次の成長基盤に
ベトナムでは近年、国内線・国際線ともに利用者が急増しており、主要空港では混雑が常態化している。
今回の空港拡張計画は、単なる交通インフラ整備にとどまらず、観光業の発展や外国投資の受け入れ拡大、地域経済活性化を支える国家戦略の一環と位置付けられている。
とりわけロンタイン国際空港の開業は、ホーチミン市近郊の航空輸送能力を大幅に引き上げる大型プロジェクトとして注目されている。



















