ベトナムでは、SIMカードの実名登録を義務付ける規制が強化され、6月15日以降、未登録SIMに対する一斉停止措置が実施された。しかし、その一方で「SIMスパム」や不正SIMの流通は依然として市場に残り続けている。
数百万回線が一斉停止も、利用者混乱続く
各通信事業者は未実名登録のSIMに対して段階的な利用制限を実施した。
- Viettel:約500万回線を一斉停止
- VinaPhone:約300万回線を制限
- MobiFone:約260万回線を停止措置
これにより数百万規模の利用者が影響を受け、各店舗には再開手続きのために多くの顧客が殺到した。
利用者の中には「すでに本人登録済みだったにもかかわらず突然停止された」とする声や、「SIM復旧に費用がかかるため新規購入した方が安い」として番号を放棄するケースも見られた。
実名確認後も残る利用者負担と現場の混乱
通信会社の窓口には、停止解除を求める利用者が集中した。
一部ではアプリやVNeIDを通じたオンライン認証で復旧できるが、手続きが遅れた場合は数日間の通信停止が発生する事例もあった。
各通信事業者は、停止後60日以内に再認証を完了しなければ2回線停止、その後さらに未対応の場合は番号回収に進むとする段階的措置を取っている。
価格数万ドンの「登録済みSIM」が市場で流通
規制強化にもかかわらず、SNSやECサイト上では依然として「登録済みSIM」が公然と売買されている。
- 1枚数万〜数十万ドンで販売
- 電話・SMS利用可能なSIMも流通
- テレマーケティングやアカウント作成用途で需要
販売者の中には「登録済みでそのまま利用可能」「全国発送対応」と宣伝するケースも見られる。
さらに一部では、SIMの種類や番号帯によって価格が細分化されており、通常の通信会社より高値で取引されるケースすらある。
「安価SIM」と「高機能SIM」の二極化
現場ではSIMの実態が二極化している。
- 低価格SIM:受信専用・OTP用途
- 高価格SIM:通話・SMS・認証済みフル機能SIM
販売者は「低価格SIMは機能制限がある」と説明し、用途に応じて価格が大きく変動している。
専門家「規制強化で新たな形のスパムが出現」
ネットワークセキュリティ専門家は、SIM規制の強化によって従来型のSIMスパムは減少した一方、新たに「仮想コールセンター番号」などが増加していると指摘する。
特に028や059といった番号帯の「総合受付番号」が迷惑通報の対象として増加しており、従来のSIMスパムと異なる形態が広がっているという。
SIMスパムは形を変えて存続
専門家によれば、スパム行為はSIMだけでなく、
- Telegram
- Viber
- Zalo
- SNSメッセージ
などへ分散しており、単一の規制では完全に抑制できない構造になっている。
そのため、通信規制だけでなく複数チャネルを組み合わせた対策が必要とされている。




















