ドイツの副総領事によれば、多くの仲介業者は、ドイツについて数十万USDの給与やビザの保証など大げさなイメージを広めているが、税や手数料などが高額であることにはあえて触れていない。
「ドイツの多くの職業は労働者を切実に必要としています。特に介護、レストラン、ホテル、手工芸などの産業は人手が不足しており、ベトナムを含めた世界各国からの労働力を必要としています」とドイツ総領事館のクリストファー・スコール副総領事は、11月16日にホーチミン市で開催されたドイツキャリアガイダンスデイで述べた。
クリストファー・スコール副総領事によれば、ベトナムとドイツは、労働者がドイツで学び、働くための教育と協力に関して多くの協定を締結している。しかし、現在、多くの仲介業者がドイツでの勉強と労働の機会に関して誤った情報を宣伝している。そのため、ドイツでの就労を目指す人は、仲介業者の大げさな広告に惑わされないよう細心の注意を払う必要がある。
「多くの留学・就業仲介機関は、”ドイツで働けば数十万USDの給料が得られる”や”必ずビザが発給される”など、ドイツの誤ったイメージを宣伝しています」とクリストファー・スコール副総領事は述べた。
スコール副領事によれば、労働者はドイツで高給取りになれる可能性はあるが、それには時間がかかると説明する。新卒や研修生などがすぐに高給を得られるというのは誤った情報だ。いうまでもなく、多くの仲介業者はドイツについて素晴らしい面だけを強調するが、税金、医療保険、失業保険などドイツで働く労働者が納付する義務のある費用については触れていない。
スコール氏によれば、ビザ取得が保証されるというのは事実ではない。ビザの承認プロセスはオープンであり、全ての申請者が平等に扱われる。そのため、ドイツでの就労を目指す人は、ビザの早期取得や確実な取得という謳い文句に多額の支出をすべきではないとスコール氏は指摘する。
「ドイツで学んだり働きたいと考えているベトナム人の皆さんに情報提供することを目的として、様々な関係者が参加するドイツキャリアガイダンスデイを今回初めて開催することが出来ました」とスコール氏は述べ、就労や留学または、その他の様々な目的でドイツへ行きたいと考えるベトナム人に対して在ベトナムのドイツ領事館や大使館または、ドイツの正式な機関の公式WEBサイトから情報を入手し、費用の無駄遣いを避けるように注意喚起した。
ドイツキャリアガイダンスデイにおいて、ホーチミン市ゲーテ研究所のマイラン・タイ所長は、ドイツ行きを希望する労働者に対する就職や研修先の検索や紹介などの支援サービスは、完全に無料だと述べた。
「もし費用が発生するとしたら、それはドイツ語の授業料でしょう」とマイラン・タイ所長は述べ、ドイツには多くの優れた社会福祉制度、雇用の機会、優れた教育が存在しているが、ドイツへ行くことを決める前にドイツの文化、気候、人々についてよく学んでおく必要があると忠告した。
キューネ物流大学（KLU）東南アジア支部のチン・ビエット・ズン支部長は、ドイツには大手企業から零細企業まで360万社以上の企業が存在し、深刻な労働力不足が発生していると述べた。より多くの海外からの労働者を引き寄せるためにドイツは、多くの手続きを簡素化し、言語のハードルを下げ、二重国籍を認めた。
ベトナムとドイツの協力政策によってドイツに来るベトナム人労働者の殆どはまず学習から始まり、その後に就職のチャンスを探すことになる。ドイツの公立から私立に至る全ての学校は、卒業生がすぐに仕事に就ける機会を創出するために、企業や職業紹介センターと密接に連携している。
KLUの担当者によれば、ドイツの殆どの公立大学は授業料が免除されるが、入学するには最低条件としてドイツ語が話せる必要がある。一方私立の大学は、奨学金が支給されない場合は授業料を支払う必要があるが、英語で授業が進められるので言語に関するハードルは下がる。これによって、学生はドイツ以外の国で就職するチャンスを広げることが出来る。そのため、ベトナム人は、需要、希望、能力に応じて自分に合った道を選ぶ必要がある。
これまでにベトナムとドイツは、出稼ぎ労働者に関して多くの重要な協力を実施してきた。多くのベトナム人留学生や労働者がドイツで学習や労働の機会を得て、高い収入で安定した職に就きドイツ国民と同等の社会保障制度を享受している。統計によれば、2015年から現在までに1万人以上のベトナム人看護師がドイツで働いている。また、現在ドイツには約8000人のベトナム人留学生が存在し、その8割近くが職業訓練留学となっている。
出典：2024/11/16 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載
