GDP7.83%成長も、2桁成長は「大きな挑戦」
ベトナムのレ・ミン・フン首相は4月9日、国会における経済・社会報告の中で、高成長とマクロ経済の安定を両立させる方針を示した。
2026年第1四半期の経済は、世界情勢の不確実性が続く中でも、マクロ経済は概ね安定を維持した。
GDP成長率は7.83%と推計され、4つの地方で10%超の成長を記録した。
また、
- 消費者物価指数(CPI):平均3.51%上昇
- 国家予算収入:8,290兆VND(前年比11.4%増)
- 輸出入総額:約2,495億USD(前年比23%増)
- FDI流入:大幅増加
といった成果が報告された。
一方でフン首相は、「外部環境の影響は依然として大きく、2桁成長の達成は極めて困難な課題である」と強調した。
内需低迷・不動産リスクなど構造課題
報告では、以下の課題も指摘された。
- 一部産業での生産・経営の停滞
- 従来の成長エンジンが潜在力を十分発揮できていない
- 国内消費の弱さ
- 輸出のFDI依存
- 不動産市場の回復遅れとリスク
- 行政手続きの煩雑さ
これらが、成長加速の障害となっていると分析されている。
「いかなる状況でも危機は回避」
トー・ラム書記長の指示に基づき、フン首相は「高く持続可能で実質的な成長」を最重要目標と位置付けた。
その上で、「いかなる状況においてもマクロ経済の不安定化や経済危機は発生させない」と明言した。
具体的には、
- 財政規律の強化
- 変動に備えた予備的措置の整備
- 資源の効率的活用
を柱とする方針である。
エネルギー・金融市場の安定を重視
政府はエネルギー安全保障を重点課題とし、原油・天然ガス供給の確保を強化する。
同時に、
- 電力不足を回避(いかなる状況でも停電を防止)
- 電力・エネルギーの節約徹底
を打ち出した。
金融面では、
- 金利の安定(預金・貸出とも)
- 不動産、社債、通貨市場の健全化
が求められている。
制度改革とインフラ投資を加速
2桁成長実現に向け、政府は制度改革を加速する。
主な施策は以下の通りである。
- 行政手続き処理時間を50%削減
- 投資・ビジネス環境の改善
- 「管理」から「発展支援」への転換
- 2026年第2四半期までに土地利用計画見直し完了
- 年内に土地法改正
インフラ面では、
- ハノイ・ホーチミン市の都市鉄道整備
- 中国接続鉄道の推進
- 南北高速鉄道の一部整備
- 空港(ザービン、フーコック、チュライ、カマウ)の建設・拡張
などを進める。
さらに、2026年中に社会住宅10万戸以上の完成を目指す。
公共投資の「質」に懸念
国会では、公共投資の効率性に対する懸念も示された。
議員からは、
- 2025年の公共投資実行率は96.7%と高水準
- しかし遅延・コスト増加・非効率も依然存在
との指摘があった。
「帳簿上の支出だけが進み、実態が伴っていないのではないか」との問題提起もなされている。
停滞プロジェクト約3,000件、資金2,000兆VND超
別の議員は、約3,000件の停滞プロジェクト(総額2,000兆VND超)の存在を指摘し、早期解決を求めた。
また、
- 中小企業向けに公共調達の30%を割当
- 年商5億~50億VNDの個人事業者に定額課税導入
といった提案も示された。
エネルギーと国家備蓄の強化が急務
エネルギー供給については、「電力不足は全産業に連鎖的影響を与える」として、最優先課題とされた。
あわせて、
- LNGや蓄電などの柔軟電源の拡充
- 国家備蓄(特に石油)の強化
が提言された。
現状では、ベトナムは石油製品の備蓄にとどまり、原油備蓄がないため、有事対応に課題があるとされる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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