ベトナム鉄道局は、ハノイ市周辺の鉄道路線・駅計画案を建設省に提出した。計画では、現在運行されている長距離鉄道5路線を維持・改良するとともに、新たに6路線の長距離鉄道を整備する方針である。
新設される路線はいずれも複線、標準軌(1,435mm)を基本とし、高速鉄道や都市鉄道との接続を含め、ハノイを中心とする鉄道ネットワークの再構築を目指す。
既存5路線は改良・都市鉄道への転換
今回の計画は、ハノイ地域における鉄道網の将来的な空間利用やインフラ整備、投資事業の基盤とすることを目的としている。
現在ハノイを通る5路線については、引き続き維持する一方、路線の改良や更新、必要に応じたルート変更を行う。
ハノイ―ホーチミン市間を結ぶ南北鉄道については、現在の単線・1,000mm軌間から、ハノイ駅とゴックホイ駅周辺を結ぶ区間を将来的に都市鉄道へ転換する案が示された。東側環状鉄道の供用開始後に転換する方針である。
また、ゴックホイから旧ハナム省との境界方面にあるフースエンまでの約26.5kmについては、南北高速鉄道と同じ鉄道回廊に沿う形でルートを調整する。
ハノイ―ハイフォン線については、現在の単線・1,000mm軌間を維持しながら、改良・更新によって列車運行の安全性を高める。
ハノイ―ランソン線なども標準軌化
ハノイ―ランソン線では、ハノイ駅からザーラム駅までの区間を都市鉄道へ転換する案が示されている。
一方、ザーラム駅からバクニン駅までの区間については、現在の単線で1,000mmと1,435mmの異なる軌間に対応した線路から、複線・1,435mmの標準軌へ改良する。
ハノイ―タイグエン線についても、ドンアイン―ルーサー間を1,435mm軌間に改良するほか、ルーサー―クアンチエウ間も1,435mm軌間へ統一する計画である。
ハノイ―ラオカイ線については、現在の単線・1,000mm軌間を維持しつつ、改良によって列車運行の安全性を確保する。
新たに6路線を整備
今回の計画で特に注目されるのが、6路線の新設である。
いずれも複線・1,435mmの標準軌を採用する。
東側環状鉄道
ゴックホイ―トゥーンティン―キムソン線で、主要区間は約31km。
トゥオンティンからラクダオ方面へ向かう支線と、キムソン方面へ向かう支線も整備する。
西側環状鉄道
タックロイ―ハノイ西部―ゴックホイ・トゥーンティン線で、全長は約56kmとなる。
東側と西側に環状鉄道を整備することで、ハノイ中心部を経由せずに周辺地域を結ぶ鉄道ネットワークの形成を目指す。
南北高速鉄道
南北高速鉄道のうち、今回の計画対象となる区間は約64km。
ゴックホイ駅から旧ハナム省の区域末端までが対象となる。
南北高速鉄道は、ハノイとベトナム南部を結ぶ将来の高速鉄道ネットワークの主要路線であり、今回の計画でも既存路線との接続が重視されている。
ラオカイ―ハノイ―ハイフォン鉄道
ラオカイ―ハノイ―ハイフォン鉄道は、今回の計画対象区間が約70km。
ビンフック北駅から旧フンイエン省との境界までを対象とする。
ハノイ―クアンニン高速鉄道
ハノイ―クアンニン高速鉄道は約48km。
スアンカイン駅から旧バクニン省の区域末端までを結ぶ計画である。
首都ハノイとクアンニン方面を高速鉄道で結ぶことで、観光・物流などの広域交通にもつながる路線となる。
新ハノイ―ドンダン線
新たなハノイ―ドンダン線は、計画対象区間が約29km。
ザーラム駅から旧バクニン省と旧バクザン省の境界までを結ぶ。
このうち、ザーラム駅―イエンビエン駅間の約6kmについては、ハノイ都市鉄道1号線と同じ鉄道回廊を使用しながら、別のインフラとして複線・1,435mm軌間で整備する。
これにより、都市鉄道との接続性を高め、旅客の乗り換えなどをより便利にすることを目指す。
ハノイの鉄道網を「都市・高速・長距離」で再構築
今回の計画の特徴は、単純に鉄道路線を増やすことではない。
既存の路線を改良するとともに、一部を都市鉄道へ転換し、さらに新たな長距離路線や高速鉄道を整備することで、都市鉄道、在来線、高速鉄道を相互に接続するネットワークを構築することにある。
特に、東西の環状鉄道を新設する計画は、ハノイ中心部に集中する交通を周辺部へ分散させるうえでも重要となる。
ハノイでは都市化の進展に伴って道路交通量が増加しており、今後の都市拡大を見据えれば、道路だけに依存しない広域交通網の整備が課題となる。
今回示された計画が実現すれば、ハノイを中心としてベトナム北部の主要都市や工業地域、港湾、観光地を鉄道で結ぶネットワークが大きく変わる可能性がある。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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