エルニーニョでザウティエン湖への流入量が大幅減少
ベトナム南部の重要な水源であるザウティエン湖で、エルニーニョ現象の影響による水不足が深刻化している。
南部水利計画研究所(SIWRP)によると、雨季の真っただ中である8月のザウティエン湖への自然流入量は約1億8,600万m³にとどまった。2025年の同時期と比べて約1億200万m³少なく、長期平均と比べても約6,300万m³下回った。
さらに、年初から8月末までの流域の累積平均降水量は約909mmとなり、2025年同期を約77mm、率にして約7.81%下回った。
2026年は年初から降水量が少なかったうえ、雨の降り始めも2025年より遅かったことが、湖への流入量減少につながっている。
貯水量は平年より約9970万m³少ない
8月31日時点のザウティエン湖の貯水量は約7億6,468万m³で、総貯水容量の48.37%にとどまった。
これは同時期の長期平均を9,970万m³下回り、2025年と比べても約5,432万m³少ない水準である。
貯水量の減少に伴い、水位も低下している。
8月31日の水位は19.72mで、長期平均を0.66m、2025年を0.43m下回った。
特に問題となるのが、現在の水位が最低貯水水位22.7mを2.98m下回っている点である。通常の満水位と比べると、その差は4.68mに達する。
ザウティエン湖は、南部地域の農業用水や生活用水などを支える重要な水源であり、貯水量の不足は今後の水供給にも影響する可能性がある。
9~11月の流入増加を見込むも、水不足解消には課題
SIWRPの予測では、9~11月の雨季終盤3カ月に約8億7,340万m³の流入が追加される見通しである。
これにより、11月末には貯水量が約11.5億m³まで増加し、水位は22.3m程度まで上昇すると予測されている。
しかし、それでも必要な貯水水位22.7mには約0.4m届かない見込みである。
さらに、エルニーニョが今後も強い状態から非常に強い状態で推移する可能性があり、2026年後半から2027年にかけて影響が続くことも懸念されている。
国立気象予報センター(NCHMF)の予測では、今後は平年より気温が高くなる一方、降雨量は不足する傾向が続き、多くの流域で河川流量が減少する可能性がある。
南部地域では10月以降、降雨量が減少し、長期平均を5~20%下回る可能性がある。11月も平年を5~15%下回ると予測されている。
フックホア湖からの導水量を増加へ
こうした状況を受け、SIWRPはザウティエン湖の運営主体に対し、9月末から雨季終盤にかけて貯水を継続するよう提言している。
同時に、フックホア湖からザウティエン湖への導水量を現在の毎秒約50m³から、毎秒約75m³へ増加させることも検討するよう求めている。
導水の目的は、ザウティエン湖の貯水量を補うだけではない。下流域への水供給や環境流量を確保することも重要な目的となる。
ただし、貯水量を急激に増やせばよいわけではない。
SIWRPは、流入量が増加する時期を見極めながら段階的に貯水量を増やし、安全性を確認しながら運用する必要があると指摘している。一方で、洪水に備えるための容量を確保することも求められている。
雨季終盤の水確保が重要に
エルニーニョの影響によって雨季終盤の水源が平年を下回る可能性がある中、ザウティエン湖では自然流入だけに頼った貯水が難しくなっている。
一方で、農業や生活に必要な水の需要は今後も続く。
そのため、今後は降雨量や河川流量を継続的に監視しながら、フックホア湖からの導水を含めた貯水運用を柔軟に調整することが重要となる。
雨季が終わる前の9~11月にどれだけ水を確保できるかが、南部地域の今後の水供給を左右する重要な局面となっている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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