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シンガポールとベトナムがQR決済連携 旅行者は現金不要、2026年には双方向利用へ

ベトナムの飲食店のQR決済の様子
(C)THANH NIEN

ベトナムとシンガポール間で越境QR決済サービスが始動した。シンガポールの旅行者は、普段利用している決済アプリを使ってベトナム国内で直接支払いができるようになり、現金の持ち運びや外貨両替の手間が不要となる。

シンガポールの決済アプリでベトナム国内支払いが可能に

ベトナム国家決済株式会社(NAPAS)は7月2日、シンガポールのLiquid GroupおよびVietinBankと連携し、ベトナム・シンガポール間の越境QR決済サービスを正式に開始したと発表した。

これにより、シンガポール国内で対象となる決済アプリ利用者は、ベトナムの加盟店舗に設置された「VietQRGlobal」を読み取ることで支払いが可能となる。

決済はリアルタイムで処理され、シンガポールドル(SGD)とベトナムドン(VND)の換算も自動的に行われる。そのため利用者は、店舗、レストラン、ホテル、商業施設などで現金を持ち歩いたり、外貨を両替したりすることなく支払いを完了できる。

約500万人が利用可能に

サービス開始当初は、Liquid Groupの提携ネットワークを通じて約500万人の利用者への提供が見込まれている。今後、Liquid Groupのパートナーエコシステム拡大に伴い、利用者数もさらに増加する見通しである。

NAPASによると、今回のシンガポール追加により、同社の越境QR決済ネットワークは6カ国・地域へ拡大した。このうち4市場はASEAN域内となる。

同ネットワークは、デジタル決済の普及を促進するとともに、ベトナムの小売業、サービス業、観光業が海外旅行者を取り込むためのインフラとしても期待されている。

2026年中にはベトナムからシンガポールへの決済も実現へ

NAPASのグエン・クアン・ミン最高経営責任者(CEO)は、シンガポールとの接続はVietQR規格を基盤とした国際決済インフラ拡充戦略の一環であると説明した。

今後は国内外のパートナーとの連携を強化し、越境QR決済ネットワークの拡大を進める方針である。

Liquid Groupのジェレミー・タンCEOは、利用者が海外でも普段使い慣れた決済アプリをそのまま利用できることに加え、加盟店側も新たな決済設備を導入することなく外国人旅行者を受け入れられる点を強調した。

また、VietinBankによると、シンガポールの旅行者はすでに個人の銀行アプリや電子ウォレットを利用し、同行のQR加盟店数百万カ所で直接決済できるという。

NAPASは2026年中に、ベトナムからシンガポールへの決済機能も導入し、両国間の双方向QR決済エコシステムの構築を目指す計画である。

シンガポールは高消費志向の有望市場

ベトナム観光局によると、2026年1~5月のベトナムへの外国人旅行者数は1,060万人となり、前年同期比14.9%増加した。

シンガポールは引き続き成長が続く重要市場の一つとなっている。

さらに、シンガポールのチャンギ空港グループの調査では、シンガポール人の5人に3人がこれまでにベトナムを訪問した経験があり、回答者の95%が再訪を希望していることが明らかになった。

シンガポール人旅行者は比較的消費額が高く、キャッシュレス決済を好む傾向があり、今回のQR決済連携はベトナムの観光・小売業界にとって新たな追い風となりそうだ。

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