6月1日午後、フィリピン訪問中のベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席とフィリピンの フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、ベトナム・フィリピンビジネスフォーラムに出席し、両国の経済協力強化に向けた方針を示した。
マルコス大統領は、両国首脳がそろってフォーラムに参加したことは、長年にわたり築かれてきた二国間関係の強固さを示すものだと強調した。
また、世界経済が技術革新やサプライチェーン再編によって急速に変化する中、協力の重要性はこれまで以上に高まっていると指摘し、ベトナムとフィリピンの関係は今後も一層発展していくとの見方を示した。
フィリピン、「ベトナムは不可欠なパートナー」
マルコス大統領は、ベトナムがフィリピンにとって貿易・投資分野で欠かせないパートナーになっていると述べた。
特に技術分野に加え、食料安全保障や産業サプライチェーン、電子機器関連産業においても重要な役割を果たしていると評価した。
さらに、こうした成果を基盤として、両国関係を次の発展段階へ引き上げることへの期待を示した。
トー・ラム国家主席、「経済協力の質を高める時期」
トー・ラム書記長兼国家主席は、近年のベトナム・フィリピン経済協力が着実な成果を上げていると評価した。
その上で、
- 高い政治的信頼関係
- 相互補完性の高い市場構造
- 活発な企業コミュニティ
という強固な基盤が既に整っていると指摘した。
そして今後は、単なる取引規模の拡大ではなく、協力の質や深さ、実効性を高める新たな段階へ進む必要があるとの考えを示した。
食料安全保障とサプライチェーン協力を強化
トー・ラム国家主席は、両国企業が貿易と食料安全保障分野で、より安定的かつ持続可能な協力体制を構築できると述べた。
具体的には、
- 農業
- 水産業
- 食品加工
- 消費財
- デジタル商取引
- 物流
などの分野で協力を拡大し、世界的な変動にも耐えられる強靭なサプライチェーンを共同で構築すべきだと提案した。
双方向投資の拡大を呼びかけ
また、トー・ラム国家主席は、長期的な価値創出につながる分野への双方向投資を促進すべきだと強調した。
重点分野として、
- 先進農業
- 食品加工
- クリーンエネルギー
- 物流
- 裾野産業
- デジタル経済
- イノベーション
を挙げた。
さらに、単なる商品売買から一歩進み、「共同投資・共同生産・地域バリューチェーンへの共同参画」へと発展させる必要があると述べた。
航空・物流・観光分野の連結強化へ
両首脳は、航空路線や物流ネットワーク、観光、人材交流の拡大についても重要性を共有した。
ベトナムとフィリピンはいずれもASEAN有数の海洋国家であり、航空便や海上輸送網が強化されれば、両市場間の距離が実質的に縮まり、物流コスト削減や新たなビジネス機会の創出につながると期待されている。
「政府が道を開き、企業が実現する」
トー・ラム国家主席は、経済協力メカニズムについても、より柔軟で実務的なものへ改革する必要があると指摘した。
市場開拓や課題解決、プロジェクト連携を促進する仕組みとして機能させるべきだとした上で、「政府は道を開くことができるが、そのビジョンを現実のものにするのは企業コミュニティである」と強調した。
またベトナム政府は、制度の透明性向上やインフラ整備、人材育成、企業支援を継続し、投資家と共に成長していく方針を示した。
地域バリューチェーンへの共同参画を目指す
トー・ラム国家主席は最後に、両国企業に対し、より長期的かつ積極的な視点で協力関係を構築するよう呼びかけた。
単なる商機の模索にとどまらず、
- 投資連携
- 技術共有
- 市場開拓
- 地域バリューチェーンへの参画
を進めることで、ベトナムとフィリピンの戦略的パートナーシップを一段と深化させるべきだと訴えた。



















