ベトナム建設省は、2050年までの長期ビジョンを見据えた2021~2030年の鉄道網整備計画の改定版を承認した。本計画では、2050年までに約4,100kmの新たな鉄道路線を整備するとともに、南北高速鉄道をはじめとする大型プロジェクトを段階的に推進し、国内の交通インフラを抜本的に強化する方針を示している。
既存路線の近代化を推進
計画では、現在運行している総延長約2,510km、7路線の既存鉄道について、段階的な改良・近代化を実施する。
特に、ハノイとホーチミン市を結ぶ南北線のほか、ラオカイ、ハイフォン、タイグエン、ランソン、クアンニン方面へ向かう主要6路線を2030年前後にかけて重点的に改修する。
また、港湾への貨物輸送を支える支線や専用鉄道との接続強化、駅機能の拡充も進められる。
標準軌16路線を新設
今回の計画では、標準軌(1,435mm)の新たな鉄道路線16路線を整備することが大きな柱となる。
このうち10路線は2030年前後までを優先整備期間とし、
- ラオカイ~ハノイ~ハイフォン
- ビエンホア~ブンタウ
- ホーチミン市~カントー~カマウ
- タップチャム~ダラット
など、国内の主要経済回廊を結ぶ路線が含まれる。
さらに2030年以降には、中部高原地域を結ぶ総延長555kmの新路線や、環状線、国境地域を結ぶ路線など6路線の建設も計画されている。
南北高速鉄道が最大の目玉
今回の計画で最も注目されるのは、高速鉄道プロジェクトである。
ハノイ~クアンニン間の高速鉄道は2030年までの優先事業として位置付けられた。
さらに、総延長1,541kmに及ぶ南北高速鉄道については、2030年前後を境に2段階で建設を進める方針で、完成すればベトナムの交通網を大きく変える国家プロジェクトとなる。
2050年までに4,000km超を新設
計画によると、2050年までに整備される新規鉄道は、
- 標準軌鉄道:約2,460km
- 高速鉄道:約1,661km
となり、合計では約4,121kmに達する見込みである。
鉄道網の大幅な拡充により、旅客輸送だけでなく物流の効率化や地域経済の発展、港湾や工業団地との接続強化など、多方面での経済効果が期待されている。
国家競争力向上への重要プロジェクト
ベトナムでは近年、高速道路や空港、都市鉄道など交通インフラへの大型投資が相次いでいる。
今回の鉄道整備計画は、その中でも長期的な国家プロジェクトとして位置付けられており、今後数十年にわたりベトナムの物流網や人の移動を支える基盤となる見通しである。
とりわけ南北高速鉄道の実現は、国内移動時間の大幅な短縮だけでなく、経済圏の一体化や国際競争力の向上にも大きく寄与すると期待されている。



















