ホーチミン市で計画されているバンタイン運河の改修・再整備事業に伴い、ホーチミン市当局は立ち退き対象となる住民への支援策を明らかにした。総事業費は約8兆5,550億VNDに上り、1,000世帯を超える住民が影響を受ける見込みである。
第1期工事は2026年10月の着工が予定されており、市は住居の確保だけでなく、生活再建や雇用支援まで含めた包括的な支援を実施する方針だ。
住民ごとに担当者を配置し生活再建を支援
事業対象地域を管轄するタインミータイ街区人民委員会によると、立ち退き後の生活支援を最重要課題と位置付け、専門の支援チームを設置した。
各世帯には担当職員を配置し、転居後も生活状況を継続的に確認する。
新たな住民登録や子どもの転校手続き、低所得世帯向け支援制度の利用、優遇融資の申請、就職支援などについて個別にサポートを行う予定である。
また、補償額や再定住住宅の割り当て、土地・住宅の権利関係などに関する相談窓口も設置し、住民との定期的な対話を通じて事業の進捗や補償内容を説明するとしている。
就業支援や職業訓練も実施
ホーチミン市は、転居によって仕事を失う恐れがある住民への支援も進める。
各世帯を対象に職業や収入、職業訓練の希望、融資ニーズなどを調査し、その結果を基に雇用サービスセンターや企業と連携して就職先を紹介する。
また、小規模商業や日雇い労働で生計を立てている住民については、政策金融機関や金融機関と協力し、事業資金の融資や職業転換を支援する方針である。
事業継続を希望する住民には、個人事業登録の手続きや優遇融資、営業場所の紹介なども行うとしている。
約750世帯が全面立ち退きの対象
当局による調査では、現在までに約749世帯が全面立ち退きの対象となることが確認されている。
再定住住宅については、旧ビンタイン区内のザーディン街区およびタインミータイ街区に約400戸が確保されており、可能な限り現在の生活圏に近い場所で新たな住居を提供する計画だ。
また、高齢者や障害者、子どものいる世帯、生活困窮世帯については優先的に支援を実施する。
「立ち退き後も支援を継続」
当局は、住民が土地を引き渡した時点で行政の役割が終わるわけではないと強調している。
転居後も一定期間にわたり継続的に状況を把握し、生活や就業面で新たな課題が生じた場合には追加支援を行う方針で、住民が早期に新たな生活基盤を築けるよう支援を続けるとしている。



















