ベトナムのトー・ラム書記長兼国家主席は8月4日、国会での法案審議において、ハノイの都市整備について「あと2年で都市の姿は大きく変わる」との見通しを示した。
都市機能の向上には中心市街地の人口分散が不可欠とした上で、地下鉄網や環状道路の整備を加速させる考えを明らかにした。
都市再編には中心部の人口分散が不可欠
トー・ラム書記長は、ハノイが100年先を見据えた都市計画を策定し、地区ごとの詳細計画や個別施策を急速に進めていると説明した。
特に、従来は十分に検討されてこなかった地下空間の活用まで都市計画に盛り込まれた点を評価した。
その上で、
「都市を再整備するには旧市街を含む中心部の人口を分散させなければならない」
との認識を示した。
環状道路が今年9~10月頃までに一部完成すれば、交通渋滞や浸水被害の緩和など、住民が都市整備の成果を実感できるようになるとの見方を示している。
地下鉄約500km構想を推進
トー・ラム書記長は更に交通インフラ整備についても言及した。
ハノイでは、
- 地下鉄
- 高速道路
- 地下道路
などを含む交通ネットワーク整備が進められており、今後数年以内に約500kmの地下鉄網を整備する構想がある。
交通アクセスが改善され、郊外からホアンキエム湖周辺まで10~15分程度で移動できるようになれば、生活環境の良い郊外への移住が進み、歴史地区の再整備も進めやすくなるとの考えを示した。
ホアンキエム湖周辺やバーディン政治センターも再整備へ
政府は都市機能だけでなく、ハノイの文化・政治機能の再編も進める方針である。
現在、
- バーディン政治センター
- ホアンキエム湖周辺
- 首都中心部の景観整備
などについて長期的な再開発計画を策定している。
また、北部から南部へ続く歴史軸や象徴的な建築・公共空間を整備し、国内外の観光客や市民がハノイの歴史や文化を体感できる都市づくりを目指す。
更に戦没者慰霊施設だけでなく、国家の発展に貢献した歴代の人々を顕彰する新たな記念空間の整備も検討している。
「挑戦する公務員」を保護する制度も議論
国会では同日、国家経済や民間経済、科学技術、デジタル化に関する違法行為への対応を定める特別決議案についても審議が行われた。
決議案では、
- 公益のために積極的に挑戦する公務員の保護
- 汚職目的ではない違反行為への刑事責任の軽減
- 被害回復を条件とした最大2年間の刑事手続き猶予
などが盛り込まれている。
ハノイ市公安局幹部は、汚職と過失を明確に区別することで行政改革や経済活性化につながると評価した。
また、ベトナム商工会議所(VCCI)も、汚職や詐欺を伴わない民事・行政上の問題を安易に刑事事件化しない方針を歓迎すると表明している。
都市整備と制度改革を同時に推進
今回の国会審議では、ハノイの大規模な都市再編とともに、行政改革を後押しする制度整備も並行して進められていることが示された。
ベトナム政府は交通インフラや都市景観の刷新だけでなく、行政の意思決定を促す制度改革も進めることで、首都ハノイの競争力向上を目指す考えである。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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