前回は組織状態を可視化し、自社に合った施策を選ぶ重要性をお伝えしました。
しかし、変革を伴う判断に、誰もが納得する唯一の正解はありません。例えば、成果主義へ移行すれば安定を望む人の反発を招く一方、年功的な制度を続ければ、実力ある人材が離れる可能性があります。
経営の決断には、どちらを選んでもメリットとデメリットがあり、常に『51対49』の葛藤が伴います。
重要なのは、正解を探し続けることではなく、経営が51%の可能性を信じて決断し、その選択を組織の力で正解にしていくことです。そのために必要なのが、経営の意図を素早く汲み取り、現場で行動に移せる「運動神経の良い組織」です。
そして、その運動神経を支えるのがエンゲージメントです。会社と従業員の間に信頼と相互理解があれば、メンバーは経営の決断を単なる指示命令として受け取るのではなく、その背景にある意義や目的を理解し、「自分たちが実現する」という意志を持って行動します。
経営が方向性を示し、マネジャーがその意図を現場の言葉に翻訳し、メンバーが自ら行動する。この連鎖が、経営の決断に素早く呼応できる「運動神経の良い組織」をつくります。
転換期を迎えるベトナムでは、唯一の正解を探し続けることよりも、選んだ道を正解にする組織力が重要です。経営が葛藤の中で覚悟を持って方向性を決め、一人ひとりがその決断に共感し、実行する組織をつくることが鍵となります。
私たちも、ベトナムの日系企業が変化に対応し、成長し続けられる組織づくりを支援してまいります。
著者紹介
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谷原 拓也 Takuya Tanihara
LINK AND MOTIVATION VIETNAM代表取締役社長。大手からベンチャー企業まで様々な業界で理念浸透、人事制度導入、マネジメント育成、新卒採用と幅広く組織人事コンサルティングを実施。2022年よりベトナム事業を展開、2025年1月に現法立上げ。